『フライドチキンの恐竜学』盛口満
フライドチキンの恐竜学 ~食卓の骨には進化のナゾがつまっている~
盛口満
ソフトバンククリエイティブ (サイエンス・アイ新書68)
1000円
2008.6.17
★★★☆☆
イラストの豊富な本です。
むしろ、イラストが中心といった方がいいのかもしれません。見開き右側ページがすべてカラーイラストで、科学解説書というよりはエッセイです。タイトルの『フライドチキンの恐竜学』も、ちょっと違うんじゃないかな、という感じ。確かにフライドチキンの話は出てきてそれが恐竜に結びつけられますが、どちらかというとこの著者は「骨」の専門家であってフライドチキンの専門家でも恐竜の専門家でもありません。たぶん、恐竜マニアには少しがっかりする内容。
チキンと恐竜を結びつけるというアイデアであればむしろ、『チキンの骨で恐竜を作ってみよう』(クリス・マクゴーワン)という本がお勧め。1998年の本ですが、鳥と恐竜の類縁の近さを利用して、チキン二匹分の骨を使って竜脚類(スーパーサウルスみたいなの)風の骨格模型を作ってしまおう、というもの。大きめの図書館には置かれていると思います。
『フライドチキンの恐竜学』は恐竜マニアには今ひとつかもしれませんが、「授業で小学生にホネから恐竜を実感してもらう」チャレンジから発して骨、ホネ、ほね……のオンパレード。半分がイラストなので読み物としてのボリュームは少なめではありますが、ホネマニアの習性の一端が窺えて楽しく読めました。
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