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『やどかりとペットボトル』池上永一

やどかりとペットボトル
池上永一
角川文庫
540円
2007.8

★★★☆☆

 『バガージマヌパナス』で衝撃を受け、『風車祭(カジマヤー)』で再び感銘を受けた池上永一のエッセイ集。そうそう『シャングリ・ラ』も不思議にパワフルな話で夢中になって読んだことを思い出しました。いくつかの文学賞候補になりながらなぜか受賞がない不遇の作家。日本SF大賞がこの人の作品を評価しなくてどうする、と思います。映画の『イノセンス』なんて大々的に広告を打った作品を褒めてる場合じゃないだろう、と思うのに。
 ああ、脱線。

 1996年から2005年あたりのエッセイを集めて本にしたもの。どちらかといえば古いエッセイの方が小説作品と共通する雰囲気があるかな。沖縄のぶっとんだオバァや美しい自然の話がてんこ盛りなのかと思えばそうでもなく、著者の少年時代の話や現代の話など様々。
 一気に読み通してしまいましたが、この人はエッセイよりも物語の方が圧倒的に面白い、というのが正直な感想。雑誌連載が終了したらしい『テンペスト』。単行本にまとまるのが楽しみです。

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