『.(period)』瑠璃歩月
.(period)
瑠璃歩月
一迅社文庫アイリス
650円
2008.7.19
★★★☆☆
『コミック百合姫』を発行する一迅社の一迅社文庫アイリス。ジャンル表記は“百合”。なんて潔いのでしょう。
作者の瑠璃歩月は百合姉妹/百合姫で『ユリム童話』を書いていらした方。とても楽しく読んでいたのですが、コミック方向への傾斜を強めた百合姫からは小説コーナーがなくなってしまったのでした。
.(period)はアニメの『ノワール』や漫画の『ガンスリンガーガール』っぽいお話でした。うーん。ちょっと違う。イタリア、銃撃戦、マフィア、二輪のカーチェイス。ライトな感じのガンアクション。『極大射程』のようなハードボイルドな雰囲気ではありません。アサウラの『バニラ―A sweet partner』
みたいにガンマニア向けって感じでもないかな。少女漫画のガンアクション物が一番イメージが近い印象。
帯の「愛しているわ殺したい程」という惹句にヒロイン二人が殺し合わねばならなくなる展開を予想したのですが少し違いました。
少女セクトの玄鉄絢のイラストを得て、ビジュアルイメージに比重のある感じでシリーズ展開も意識していそうなエンディング。
楽しく読めました。が、少し物足りない気も。シーンとしては百合な雰囲気の場面もたくさんありましたし、結末も百合的なオチがついていますが、お話の中心がアクションということもあって印象がそっちに持って行かれた感じです。
巻末に掲載されていた一迅社文庫大賞アイリス部門の告知、締め切りが2009年9月30日でした。アイリスの方向性も7月発売のタイトルを見渡してみると少女小説というよりはライトノベルまっしぐらな感じなのでここへの投稿を念頭に置いていた原稿がとても場違いな気がしてきました。
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