『先端巨大科学で探る地球』
先端巨大科学で探る地球
金田義行/佐藤哲也/巽好幸/鳥海光弘
東京大学出版会
2520円
2008.6.2
★★★☆☆
内容の面白さから言えば★四つなのですが、馴染みづらい文章なので★減。たぶん、理系学生向けの読み物として書かれたものなのでしょう。特別難解なわけではないのですが、内容以上に難解さを感じさせる表現が多かったです。
研究の重要性を訴えているくだりもどことなく予算会議での演説風だったり。
地球の内部探査に関する最新の情報です。
海底下で7000メートルを掘削する総工費650億円の地球深部探査船「ちきゅう」や地震波や人工的な音源から音響的に地球の内部を探る“地球トモグラフィ”、「地球シミュレータ」を使った地球内部モデル構築など、最先端を走る日本の地球科学の詳しい解説。地震大国の副産物ですね。
23日未明には東北で大きな地震が起きましたし、岩手から宮城にかけては6月にも大規模な山崩れを伴う地震があり、地震予知は大きな期待を寄せられている分野でしょう。ですが、具体的な地震予知にはまだまだ長い道のりが必要なようです。
学問的には目覚ましい発展を遂げている真っ最中のようですが、シロウト的には「プルーム」という概念が登場したあたりの略図から地球内部のイメージがあまり変わらず、「細かなことを正確に捉えられるようになったのだな」というのがおおまかな感想でした。「細かなことを正確に」の内容に興味を覚える人にオススメです。
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