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『撮る人のための実践的写真論』児島昭雄

撮る人のための実践的写真論
児島昭雄
日本写真企画
2007.7.1
1575円

★★★☆☆

 デジタルカメラの売れ行きは今年も好調なようです。写真ブログもたくさんあって、プロ顔負けの写真を撮る人も少なくありません。デジタル化して写真は新たなブームを形成したようです。銀塩写真の頃にはなかなか手を出せなかった現像も、デジタルであれば簡単にできてしまいます。パソコンという新たな障壁はあるようですが……。

 私の場合は、出先で見たものの紹介を魅力的にできればいいな、くらいの気持ちで写真を添えているので写真論とか芸術とは縁がない気もするのですが、単なる撮り方のハウツー本を眺めても痒いところに手が届かない気がするのも事実。
 というわけで難しそうな芸術論よりは多少馴染みやすそうなこの本を読んでみました。

 ああ、当たり前のことが書いてあるなあ。

 陳腐だというのではなく、読んだ人の大多数が納得できそうなことが書かれています。「天才にしか撮れない」「人を知ること」みたいなカッコイイ言葉が書かれた写真家の手になる本も楽しいですが、そういうエキセントリックな方向ではなく、まっとうな理屈をシンプルに解説した本があってもいいのだと思ったのでした。

 もっとも読んだからといってその人の撮る写真が変わるような本でもない、と思います。

 「なぜ撮るの?」という自問に自答するための下地、みたいな本でした。

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