『熱河生物群化石図譜』
熱河生物群化石図譜―羽毛恐竜の時代
張弥曼著/小畠郁生監訳・池田比佐子訳
朝倉書店
9975円
2007.11.20
★★★★☆
先日の『澄江生物群化石図譜』に続いて熱河生物群と化石ネタ。
澄江生物群はカンブリア紀の生物でしたが、熱河生物群は中生代の地層で中国北部、モンゴル、シベリア、朝鮮半島、日本と広い地域に分布します。産出する生物も昆虫、魚類、軟体動物、爬虫類、両生類、恐竜類、鳥類、哺乳類、翼竜類、植物と幅広く、保存状態も非常に良い“化石ラーガーシュテッテン”です。
その産出する化石の豊富なバラエティを反映してか、この『熱河生物群化石図譜』では『澄江生物群化石図譜』や『バージェス頁岩化石図譜』のように、見開きごとに化石生物一種ずつの紹介ではなく、かなりぎっしりと情報が詰め込まれています。学名の羅列も続くので「ええと、これなんだっけ」と前後のページを繰ったり、記憶を探ったりするうちに読んでいる内容が頭から抜けてしまったりもします。解説文自体は平易ですが、内容がするすると自然に頭に入ってくる類の本ではありません。高価な本なので、じっくり味わえてお得、というのは貧乏性ゆえの考えでしょうか。
印刷は巻末の索引以外はフルカラー。軽量コート紙ですが『澄江生物群化石図譜』よりは紙質に張りがあってカラー写真のコントラストもくっきり感があります。
先日行ってきた『世界最大の翼竜展』にもこの熱河生物群からの標本がありました。ゾルンホーフェンの標本も。
後は『ゾルンホーフェン化石図譜Ⅰ・Ⅱ』が揃えば一段落なのですが、二冊組のコレに手を出すべきかどうか……。
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