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『遺伝子・脳・言語』堀田凱樹/酒井邦嘉

遺伝子・脳・言語―サイエンス・カフェの愉しみ
堀田凱樹/酒井邦嘉
中公新書
819円
2007.3.25

★★★☆☆

 サイエンス・カフェと題された科学者と一般の人々との対話セッション録。最初から本にするために起こされたわけではない文章(対談etc)はヌルいものが多いので正直期待していなかったし、読んでみてもやっぱり「すっきりしないなあ」とは思いましたが、そこそこ楽しく読めました。

 遺伝子に脳に言語。テーマ的にはとても興味深いものです。遺伝子についてはDNA解析という形で多くの知識が集まりつつありますが、そこから脳や言語――「知能」の理解までにはまだまだ遠い道程が横たわっているようです。
 あるいは道程の遠さだけでもわかってきているのかな、と期待して読んでみた本なのですが、それも五里霧中らしいことが窺えるだけ。う~ん。霧を晴らすのがきっと序文に書かれている生物学における素粒子論のようなもの=理論生物学であり、統計数理と情報処理と生物学の融合なのでしょう。

 サイエンス・カフェで語られた内容自体は正直、目新しいことはないと思います。やはりカフェと題するものはログを読むのではなく実際に参加しないと面白くないものなのかもしれません。質疑応答のやりとりこそが醍醐味なのでしょう。
 Amazonのユーザーレビューが五つ星ばかりなのが不思議です。(2008.8.8現在)

 この本の中で紹介されていた『言語の脳科学』(酒井邦嘉)は読んでいるところなので、近いうちに感想を書いてみようと思います。

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