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福島正実記念SF童話賞

 岩崎書店の福島正実記念SF童話賞という児童文学の賞に応募してみました。

 「SFだけど児童文学向きかな」と思っていたネタがあり、どこへ出せばいいのか思いつかずにいたところでこの福島正実記念SF童話賞を知って挑戦してみることにしました。とりあえず最後まで書き上がったのは一週間ほど前、がちゃがちゃ見直しをかけていたら妙に時間がかかり昨晩は徹夜する羽目に。ようやく締切当日に仕上がったのでした。

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アナグリフ=赤青立体写真

 少し前の記事でブラケット(別体式ストロボ用のマウント)を買ってみたと書いたのですが、用途はタイトルの通りアナグリフ(赤青メガネを使った立体写真)だったのでした。カメラをきっちり水平移動させることができないときちんと立体に見えないので以前に挑戦してイマイチな結果に終わったので、ブラケットでカメラを左右にスライドさせられるようにして再挑戦です。

豪徳寺絵馬@アナグリフ

 む~ん。前よりはマシですがあまりうまく立体になりません。
立体写真セット  ブラケットはミニ三脚(アンテナロッド足)と相性が悪かったようです。雲台もあまりしっかりしていないので右の写真のようにブラケットの外側にカメラを移動させると雲台の固定が緩く傾きがち。

 成功率も低いのでもう少し工夫しないとだめみたい。

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粘菌? 変形菌?

 変形菌というカビのような生き物がいます。粘菌と呼ばれたり、少し違う細胞性粘菌というのもいたりするようです。耳慣れない生き物ですが意外に身近なところに多いそうで、湿った朽ち木などに黄色や白の、緑の網目模様のべとべとがついていたりすることがありますが、あれです。ベトベト状態のは“変形体”……かな。

粘菌 GR DIGITAL F2.4 1/36sec ISO64 -0.3EV

 そしてこれが粘菌の子実体(コメント参照)。軸の先についた丸い部分に胞子が詰まっています。透明な水滴のようなのはゼリー状の粘液(未成熟の子実体でこんな風になるものがあるらしい)――のようなのですが、撮影時には小さすぎてわかりませんでした。肉眼だと真っ黄色の点々に見えます。大きさは高さで2mmくらいかと思います。
 図書館で変形菌関連の図鑑を二冊ほど眺めてきたのですが種は判別つかず。撮影から二日ほどして同じ場所を訪れてみたら影も形もありませんでした。

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招き猫@豪徳寺

 おはようございます。
 朝の豪徳寺招き猫奉納所からとれとれの二枚。

ひゃっほう! GR DIGITAL F2.4 1/52sec ISO64 -0.3EV

 朝からテンションの高そうな招き猫たちです。

ちびでもノリノリ GR DIGITAL F2.4 1/45sec ISO64 -0.3EV

 後ろでちびっこいのもノリノリ。

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『百合姫S』&『プアプアLIPS』

百合姫S Vol.6 と プアプアLIPS

 『コミック百合姫S Vol.6 2008 AUTUMN』『プアプアLIPS 第1巻』(後藤羽矢子)の感想です。

 『百合姫S』は紙が前号までと少し変わりめくりやすくなりました。400ページを超えて安定し……というのはVol.5あたりの感想でも書いたかな?
 石見翔子の連載「flower*flower」は今回も面白かった。中継ぎ回というか次回へのフリの回でした。倉田嘘の「鎖はもういらない」はOLモノ。この人は毎回違う切り口を見せてくれるのが嬉しい。そして流血のバイオレンスが「死神アリス」と「The Nightmare after school」で二篇。流血スプラッタはどちらかというと少女漫画の得意分野(「恐い話」系マンガとか)で少年向け?の『S』より無印『百合姫』向きな気もします。印象に残ったのはこんなとこかな。

 『プアプアLIPS』は四コマ漫画単行本。ネット評を見て買ってみました。ビンボー社会人百合で四コマということで基本はギャグですし作者元々のあっけらかんとした明るいカラー的にも百合モノにありがちなメランコリックな情緒とかイケナイ感じとは縁遠い気もしますが、これはこれで面白かったです。百合モノ好き向けというより一般向けかも。

 マンガもいいけど昔風の少女小説の百合物が読みたいな。『小公女』とか『若草物語』とか『赤毛のアン』みたいな感じで、かつ百合って出てこない物なんでしょうか。

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世田谷八幡宮宵宮祭

世田谷八幡宮宵宮祭 GR DIGITAL F2.4 1/73sec ISO64 -0.3EV 大祭は明日ですが、学生相撲は土曜日の午後二時からということで昼のうちに行ってきました。奉納相撲を見るのは学生の頃以来かもしれません。

 土曜日の、まだ暗くなる前ということもあって露店も人出もそこそこです。

 明日の大祭は相当賑わうと思います。八幡宮の駐車場は一応ありますが収容台数は数台。例年近隣のコイン駐車場も露店の車で埋まってしまいますし、警官が交通整理に当たります。駐車スペースの確保はまず無理かと思いますので、自家用車はやめておくのが無難です。

 二十一日の大祭は

午前十時 本宮例大祭祭典執行
午前十一時 神代神楽(若山社中)
午後七時 民謡

こんな予定になっています。

学生奉納相撲 GR DIGITAL F2.4 1/24sec ISO81 -0.3EV スローシンクロフラッシュ有

 奉納相撲は笑いのこぼれる和やかな雰囲気です。ちびっ子から学生力士を応援する声が響いたり、巨体の力士と細身(普通の人に比べるとめちゃくちゃマッチョ)の力士との対戦で細身力士が背後を取った決め技が「恐竜のしっぽ」なんて即席新技名がついたり。
 本職の力士に比べればずっと小柄なはずですが、それでも力士三人が揃い踏みをすると「ずしん」と響きが伝わってきたりもします。外国人の観客も多く、大相撲とは違った日本文化を楽しんでいったようです。
 以前はブルーシートの天幕はなかった気もします。視界が青い~。

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HAKUBA レンズペン

レンズペンとスライドプレート デジカメのレンズ掃除、どうしてますか。コンパクト機はたいていレンズバリアがついているのであまり汚れないものですが、うっかり触って指紋をつけてしまったりすることもあります。一眼レフのセットを持ち歩いているときならばいざ知らず、常日頃持ち歩くコンパクトカメラでは清掃用具なんて用意していないわけで、眼鏡拭きがあれば上等でしょうか。でも眼鏡と共用の眼鏡拭きはカメラのレンズにはあまり向いていません。皮脂がレンズに移るだけです。
 というわけでレンズペンなるものを見つけて重宝しているのでした。ホコリも油汚れもきれいに取れます。大手カメラチェーンの店頭だと1000円くらい。

 片側がブラシで片側がセーム皮で2wayとなっています。ブラシはスライドさせて繰り出すのですが、その毛先に指で触れてはいけません。皮脂が移り清掃効果がなくなります。セーム皮の側も同様。息を吹きかけるのも禁止です。
 セーム皮にはコンパウンドがついてます。これを指して「レンズを傷める(削れる)」と言う方がいますが、このコンパウンド、油脂成分にまぶして脱脂するためのもので磨き粉のようにゴリゴリ表面を削るようなものではないのでレンズに使っても大丈夫です。ただし、力を入れてレンズに押し付けるようなことをすればレンズやコーティングに良くないのは当然です。それはコンパウンドなしのセーム皮でも同じ。そっと撫でるように使います。

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『そばかすのフィギュア』菅浩江

そばかすのフィギュア+紫芋のパルフェ GR DIGITAL F2.4 1/32sec ISO92そばかすのフィギュア
菅浩江
ハヤカワ文庫JA
714円
2007.9.25

 菅浩江で買ってないのあったような。なんだっけ。これかな。と書店で適当に買い、読み始めて数分。
 クロレラの食料? なんか菅浩江にしては古い。それに読んだことある……。で、ようやく気づきました。『雨の檻』の改題再刊でした。しまった。持ってるゾ。短編「月影の古謡」が新たに追加されているとはいえ。買っていなかったのはこれのさらに前の『五人姉妹』の方だったみたい。
 再読ではありますが久々でもあったわけで、あらためて読んでみても楽しめました。でも初期短編集ということもあって『永遠の森  博物館惑星』『歌の翼に―ピアノ教室は謎だらけ』のような完成度を期待すると「あれ?」となるかも。

 どうでもいいですが、写真のパフェの盛りつけがへたっぴいで少し悲しいです。パフェなんて単なるアイスクリームと生クリームの盛り合わせなわけで、見映えの占めるウェイトは大きいと思うのです。

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『冬虫夏草の謎』盛口満

冬虫夏草の謎
盛口満
どうぶつ社
1680円
2006.6.20

★★★★☆

 最近は私的には良い本との遭遇が続いています。この『冬虫夏草の謎』も楽しい一冊でした。

 冬虫夏草、ご存じですか。漢方薬として珍重されたりするし、見た目にも面白いしで知名度は高い気がします。とくにセミの幼虫から生えた冬虫夏草は、何らかの形で知っているのではないでしょうか。
 冬虫夏草のイメージは高級漢方薬。漫画『もやしもん』でも冬虫夏草の栽培で一儲け、という話が登場しましたが実は売れない物らしいです。本の最初の方に「売れない」と書かれていて、へえ、と感心してしまいました。

 『冬虫夏草の謎』は専門の学者によって書かれた本ではなく、一冬虫夏草マニアの採集記に近い本です。が、筆者は教育者でもあり、一般向けの科学解説本をいくつも書いている人で……あ、この人の本は以前にも『フライドチキンの恐竜学』でレビューしたんでしたっけ。わかりやすい説明で、冬虫夏草への熱意もとても濃く感じられる楽しめる本でした。菌類の話は意外だったり、まだまだ謎だらけだったりするあたりが面白いです。添えられたスケッチ(イラスト)も美麗というのとは少し違う科学スケッチの感じですが、すっきりとわかりやすくて惹きつけられます。

 冬虫夏草探しがしてみたくなること請け合いの一冊。

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続・ハードディスク交換

 先日の「ハードディスク交換」記事の続きです。

 うっかりフォーマットしてしまったHDDにFINALDATAの試用版を試してみてファイル名は見えることがわかったので製品版を購入してみました。結果、八割くらいのファイルは救えたようです。救えないファイルもあったのですが、理由は不明。救えたファイルと何が違ったのだろう……。
 もっとも「復元できなかった」のは記憶に基づいて「××」は確かにスキャンした、みたいなあやふやなものなので概算です。救えたファイルも内容は完全チェックできているわけではないので「たぶん」です。無作為にファイルを開いてみた範囲ではデータが壊れていたりすることはなさそう。全数チェックは人力ではしんどいかも。音楽CDなどは手元にあっても押し入れに積み上げてある数百枚?を取り込み直す気にならないので復元できて良かった……。

  • 雑誌のバックナンバースキャン 八割○
  • 科学解説書スキャン 五割○
  • 音楽 全部○

 FINALDATA購入前にはフリーソフトもいくつか試してみたのですが、うまく復元できずに有償ツールと相成りました。うう、そろそろ買おうと思っていたGR Digitalのワイコンは来月までお預けかな。連休も丸々パソコンいじりに使ってしまいました。

 コメントで知恵を貸してくださった方、ありがとうございます。
 おかげで失敗のかなりの部分をリカバーすることができたようです。

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『カンブリア爆発の謎』宇佐見義之

カンブリア爆発の謎~チェンジャンモンスターが残した進化の足跡
宇佐見義之
技術評論社
1659円
2008.4.25

★★★★☆

 良い本でした。
 表紙の印象から「子供向け?」と思って後回しにしていた本だったのですが、読んで印象が一変しました。文章は平易で中学生くらいでも問題なく読めますし、イラストも豊富で「知りたい!サイエンス」なんてシリーズにぴったりの体裁で内容もぬるそうな印象ではあるのですが、実際はカンブリア紀生物の最新の研究成果が盛り込まれた良著でした。あちこちからツギハギの最新情報を寄せ集めた本ではなく、最新の研究の流れ自体をとらえた「先端科学に触れる楽しみ」を味わわせてくれる本です。この本と『澄江生物群化石図譜』(感想記事⏎)をセットで読むのがおすすめ。『カンブリア爆発の謎』も図版はそれなりに豊富ですが、カラーの化石写真がずらりと並んだ『澄江生物群化石図譜』のリアリティが加わればより楽しめること請け合い。
 興味深かったのが最後の章「コンピュータの中のアノマロカリス」。著者は物理学者でありながら古生物の研究に携わっている人なのですが、その物理学としての生物へのアプローチがとても小気味よかったです。
 古生物ファンで未見の方はぜひ。

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ハードディスク交換

 私は今、真っ青になっております。
 その顛末を綴りましょう。

★ ★ ★

新旧ハードディスク  音楽CDは買ってくるなり即座にPCに取り込み、雑誌類は読み終えたところで解体しScanSnapで電子化。そんなことをしていると250GB程度のHDDも二年ほどでいっぱいになります。

 というわけでHDDを容量の大きな物に交換です。1TBでも今は12000円。安くなりました。WesternDigitalの省電力タイプにしてみました。

 帰宅してパソコンの蓋を開け、HDDを繋ごうとして「あれ?」。
 SerialATAケーブルは繋がりましたが電源ケーブルを挿す受け口がありません。むむむ。どうやらSerialATA用電源ケーブルでないと繋がらない様子。慌てて変換ケーブルを買いに走りました。が、ここでばたばたしたのがそもそもの間違いだったかもしれません。

 4pinコネクタ→SerialATA電源コネクタの変換ケーブルを購入し再挑戦。
 ここでちょっと一息。紅茶でも。←間違いの元。

 CD-ROMから起動、と。新HDDのフォーマットをしなければなりません。
 順調に作業を進めフォーマットが90%近くに達したとき、ふと開けっ放しのパソコンから伸びている仮設HDDが目に留まりました。

   ――ん? なんか変。

 よく見るとHDDが埃っぽい気がします。

   ――あれ? WD2500?

 血の気が引きました。古いほうのHDDがこんな型番だったような……。よく見れば近くの床に転がしてあるHDDはぴかぴかです。WD10EACSと書いてあります。このケーブルの繋がっていない方のHDDはなんとなく今日買ってきたHDDのように見えないでもありません。

  ――すると今フォーマットしているのは……?

 もちろんこれまで使ってきたHDDです。データのぎっしり詰まったHDDをフォーマットしちゃっているわけです。フォーマットはもうほとんど終わりかけています。じーざす!

 恐る恐る確認してみるとフォーマットしてしまったのは間違いなく古い方のHDDで、新HDDはパソコンに繋がってさえいませんでした。変換コネクタの情報を探すのに古い方のHDDに繋ぎ直してパソコンを使ったんだっけ。ああ。大事なデータが。書いた小説のデータはテキストでZaurus上にも保存してありますが、資料類はこの古いHDD上にしかないものもたくさんあります。バックアップはごく一部しかしていません。

 つまり、この二年以上スキャンしてきた資料のデータが、見事にすっとんでしまったことになります。

 というわけで冒頭に書いた通り、今の私は顔色は真っ青、頭の中は真っ白な状態です。きっと妖精さんの仕業です。ほら、妖精の輪(チェンジリング)っていうじゃないですか……。  火掻き棒を押しつければ元に戻ったりは、、、しませんか。

 1TBのHDDの空き領域は990GB。
 なんて広く無意味なディスク領域。
 そこに置くためのデータがなくなってしまうなんてこのHDDに存在価値はあるのでしょうか。とほほ~。

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qpdf3

 Zaurusの話題です。

 実用工房様の『Qpdf3 0.1.2公開』という記事でqpdfの新しい物があると知って試してみました。以前に少し試したQpdf2ではacrobat Distillerで作成したフォント埋込pdfがうまく表示できなくて自分の所で配布している『あかねいろ』や『イシノネ』のZaurusでの表示確認ができないという情けない状態だったのです。

 あ、できた。

 Qpdfシリーズということで表示が遅めであることには変わりませんが、これならば作成したpdfのチェックくらいには使えそうです。
 Qpdf3 0.1.2ではpdfのテキスト検索も使えるようになりました。これなら外出先でもスキャンした透明テキスト付pdfの活用が!と少し期待したのですが、さすがに処理が重いしスキャン原稿を640x480の画面で読むのは無理があります。

 あれ? ScanSnapで作成した透明テキスト付pdf(をacrobatで「サイズを縮小」したもの)は検索できたけど、一太郎からacrobat Distrillerに出力したものは検索できません。
 pdfは謎が多いです。

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ウェヴページ機能

 9/2のメンテナンスでココログにはいくつか新機能がつきました。

  • 画像のポップアップ表示
  • 記事への「お絵かき」機能の追加
  • ウェブページ機能追加

 ウェブページ機能ですが、さっそく使ってみました。

 このブログでもトップページを固定にしたりしていましたが、それをシステム側で管理しやすく分類する機能のようです。閲覧者側には特に影響ないですね。トップページをウェブページに置き換えてみましたがさほど変わり映えしていないと思います。ブログ記事を「トップに表示」していたときは最新記事が必ずひとつは表示されていたのが、ウェブページだと表示されないということくらいでしょうか。
 小説ライブラリもウェブページに移したいけれど、記事の固定リンクで検索サイトに登録してしまっているところがあるので今更移すに移せないかな。
 今までは自前でhtmlを用意するとデザインテンプレートも適用されずアクセス解析も働かなかったのですが、ウェブページ機能で書けばそのあたりもすっきり一纏めになるのが便利と言えば便利かな。

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『沖縄祭祀の研究』高阪薫

パフェ読書 GR DIGITAL F2.4 1/32sec ISO119 +0.3EV

沖縄祭祀の研究
高阪薫
翰林書房
1994.4.20
5250円

★★★☆☆

 写真は本より甘味が主役っぽいですが。
 パフェってなんでグラスがソーサーに載ってくるんでしょうね。グラスのフチより中身を盛り上げるからこぼれてもいいように、かな?

 タイトルと値段から予想した通り人文系の研究書に分類される本でした。淡々と沖縄祭祀の様子が記録された貴重な内容ではないかと思います。琉球ネタを次の小説に活かせないかと思って読んでみたのですが、資料としては沖縄文化に精通している人向きのようで、ニワカで知識を掻き集めているだけの私にはうまく活かせそうもありませんでした。残念。とても良い内容のようなのに、こちらに咀嚼できるだけの知識がないもので空回り……。
 後半の「研究篇」もドラスティックな新説の提示ではなく可能性の列挙が中心で、客観性をできるだけ保とうとする姿勢に好感が持てます。

 内容の効果的な紹介ができそうにないので目次だけ引用しておきます。

事例篇
一 多良間島のスツウプナカ
二 古宇利島のサーザーウェー
三 古宇利島のウンジャミ
四 大宜味村塩屋のウンガミ(オドイマール)
五 西表島祖納のシツ
六 波照間島のソーロン(ムシャーマ)
七 本部町具志堅のシニグ
八 本部町備瀬のシニグ
九 宮古島上野村字新里の豊年祭

研究篇
一 『おもろさうし』のふし名について―ふし名の異なる重複オモロを中心に―
二 神歌と村落構造―沖縄の再試験級の立場から―
三 多良間島の神歌―祭祀との関連―
四 本部町具志堅のシニグ歌―資料と基礎的考察―
五「海神祭の由来」への一疑問―安田のスクは魚かどうか―

 地名やカタカナ表記のシマコトバがピンとこない人には活用できない類の資料かと思います。初心者向けの解説はありません。同じ著者たちによる同シリーズの前著が存在するはずなのですが、地元の図書館で探してみても見あたらないようでした。

 専門的な資料はパフェのように甘くはない、とオチがついたようです。

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電柱イラスト@豪徳寺商店街

電柱イラスト+提灯 GR DIGITAL F2.4 1/16sec ISO154 -0.7EV 夜中までファミレスで書き物をして豪徳寺商店街を歩いてみると、お祭りが近いのか提灯があちこちに。提灯の明かりと電柱のイラストがなにやらいい感じです。

たまにゃん三兄弟?@電柱イラスト GR DIGITAL F2.4 1/6sec ISO154 -0.7EV

 ありゃ。提灯が傾いてしまった。
 このイラストは今まで存在に気づかなかったもの。

福室にゃん GR DIGITAL F2.4 1/7sec ISO154 -0.7EV 南口商店街の端にはお蕎麦屋さんがあるのですがそこの向かいの電柱イラスト。お蕎麦を打っている絵のようです。こっちのイラストもいままで気づきませんでした。しょっちゅう通っている道なのに。

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『姫百合たちの放課後』森奈津子

姫百合たちの放課後 姫百合たちの放課後
森奈津子
ハヤカワ文庫
735円
2008.8.25

★★★★☆

 面白かった。でも、さすがに先日の『先輩と私』に続けて読むと濃厚すぎるかもしれません。帯には「少女たちの可笑しくも甘酸っぱい青春を描く9つの物語」とありますが、甘酸っぱい成分よりも“可笑しくも”が多量に含まれています。少女をデコラティブにこってりと描く雰囲気は嶽本野ばらと少しだけ似たところがあるかな。リアルさよりも面白可笑しく。時にはばかばかしく。自慰道ってなんじゃそりゃ~、と突っ込みを入れながら読むのが正しそう。表紙の、扉絵のすっきりとシンプルな可愛らしさとはギャップがあるので表紙買いした人は仰天しそう。官能小説、だといまひとつしっくりこないかな。同性愛要素の多めな性愛小説集です。
 ハヤカワ文庫JAですがSF成分はナシ。あ、一篇だけ宇宙人モノがありました。
 2004年に刊行されたハードカバー版に短編ひとつを加えて文庫化された物です。増えているのは私小説風の一篇。

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『先輩と私』森奈津子

先輩と私
森奈津子
徳間書店
1680円
2008.6.30

★★★★☆

 雑誌『問題小説』に連載されていた連作短編を単行本化したもの。成人男性向け中間小説誌、ということになっているようですがこの雑誌、男性向けというのはよくわかるし、エロに対しては寛容……というより柱のひとつにしているようなので森奈津子の同性愛モノが載せられていてもおかしくはない気がするのですが、今回読んでいて思いました。きっと誌面ではすごく浮いていたんだろうな、と。なんというか男性原理バンザイみたいな傾向の雑誌なので。

 表紙と口絵のイラストは思い切りマンガっぽくて中身との違和感を感じます。中身はほぼレズビアン官能小説で、表紙はライトノベル的というかコメデイ四コママンガというか。でも内容も登場人物たちの思考や発想がかなりギャグよりなので合っていないわけではない、のかな。

 同性愛小説でフェミニズムやSM要素もてんこ盛りではありますが、全体を貫いているのはやっぱりどこか不条理さを感じさせる雰囲気で、そこに性的演出における「お約束」が絡んで森奈津子ワールドを展開しています。なんというか、端から見たエロ=ギャグなのだ、みたいな。
 好みで言えばもっとはっちゃけた『西城秀樹のおかげです』に収録されているような話が好きですが、この本も十二分に楽しめました。

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招き猫@豪徳寺

セントレア招き GR DIGITAL F2.4 1/34sec ISO64 -0.3EV ぱっと見た感じではそれほど強烈に訴えてこなかったのですが写真にしてみるとなぜかインパクト大のセントレア空港ブランド招き猫。宝くじ売り場にいる招き猫との血縁を感じさせるデザインです。
 足の肉球が全体のバランスからすると小さい感じ。

泥んこ招き猫 GR DIGITAL F2.4 1/32sec -0.3EV 気まぐれな大雨が降ったこの数日。奉納所の庇からはみ出しかけた最下段の招き猫たちは雨だれの跳ね返りで泥んこに。群を抜いて泥だらけだったこの子は見ていないところで泥んこ遊びでもしていたのでしょうか。

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