『沖縄祭祀の研究』高阪薫
沖縄祭祀の研究
高阪薫
翰林書房
1994.4.20
5250円
★★★☆☆
写真は本より甘味が主役っぽいですが。
パフェってなんでグラスがソーサーに載ってくるんでしょうね。グラスのフチより中身を盛り上げるからこぼれてもいいように、かな?
タイトルと値段から予想した通り人文系の研究書に分類される本でした。淡々と沖縄祭祀の様子が記録された貴重な内容ではないかと思います。琉球ネタを次の小説に活かせないかと思って読んでみたのですが、資料としては沖縄文化に精通している人向きのようで、ニワカで知識を掻き集めているだけの私にはうまく活かせそうもありませんでした。残念。とても良い内容のようなのに、こちらに咀嚼できるだけの知識がないもので空回り……。
後半の「研究篇」もドラスティックな新説の提示ではなく可能性の列挙が中心で、客観性をできるだけ保とうとする姿勢に好感が持てます。
内容の効果的な紹介ができそうにないので目次だけ引用しておきます。
事例篇
一 多良間島のスツウプナカ
二 古宇利島のサーザーウェー
三 古宇利島のウンジャミ
四 大宜味村塩屋のウンガミ(オドイマール)
五 西表島祖納のシツ
六 波照間島のソーロン(ムシャーマ)
七 本部町具志堅のシニグ
八 本部町備瀬のシニグ
九 宮古島上野村字新里の豊年祭
研究篇
一 『おもろさうし』のふし名について―ふし名の異なる重複オモロを中心に―
二 神歌と村落構造―沖縄の再試験級の立場から―
三 多良間島の神歌―祭祀との関連―
四 本部町具志堅のシニグ歌―資料と基礎的考察―
五「海神祭の由来」への一疑問―安田のスクは魚かどうか―
地名やカタカナ表記のシマコトバがピンとこない人には活用できない類の資料かと思います。初心者向けの解説はありません。同じ著者たちによる同シリーズの前著が存在するはずなのですが、地元の図書館で探してみても見あたらないようでした。
専門的な資料はパフェのように甘くはない、とオチがついたようです。
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