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12月のコミック

 恒例の百合漫画の感想です。

flower*flower 1
石見翔子
百合姫コミックス
2008.12.18
900円

★★★★☆

 『百合姫S』に連載されているflower*flowerの単行本。『S』では一番楽しみにしているマンガです。他誌では四コマの連載をしている作者ですが、ストーリー物でもしっかりしたお話を見せてくれています。むしろ、私には四コマよりこっちのflower*flowerの方が好み。

 主人公・朱の兄の元へ嫁いできたはずの異国のお姫様。ところが兄・蒼は女装趣味の持ち主でお姫様に一目で振られ、代わりにと選ばれたのが朱――なのですが、実は朱は女の子なのでした。
 と始まるお話で軽くコメディ調、でもストーリーはシリアス気味。かすかに陰謀劇の香りも漂います。

 異国のお姫様・ニナがとにかく可愛い。一方の朱も三枚目的キャラが可愛い。萌え用語?で分類するならニナはツンデレ、朱はヘタレウケとなるのかな。よくわかりませんがこのキャラの組み合わせは卑怯なくらいにイイ。

 『百合姫S』掲載時との比較では……細々とした部分で修正が入っているようですが大まかなところは変更なし。各話の終わりにはワンポイントイラストが入るのですが、小ネタが利いてます。表紙カバー下には設定画もありました。

 設定もキャラも王道的ですが、陳腐さを感じさせないのは作者の力でしょうか。ジャンルとしてはGLなのですが、百合という面を売りにしなくてもストーリーの面白さで勝負ができそうな気がします。特に百合モノ趣味のない人にもお勧めできるんじゃないかな。いえ、耐性のない人に勧めて引かれても私は責任を持ちませんが。

コミック百合姫S 2009年 02月号
一迅社
2008.12.18
880円

★★★☆☆

 同時発売の『百合姫S』。考えてみたら毎号きっちり購入している雑誌は『百合姫』と『百合姫S』だけだったりします。『S-Fマガジン』も『SF Japan』も気まぐれ購読ですし、科学雑誌類も気に入った特集のあるときだけ。

 今号は表紙の色味がちと重たいかな。
 百合姫系の雑誌は時々成年向きのアニメやゲームを紹介するのですが、雑誌のカラーと一致してないような気がして正視しづらいです。ぱっと開いたカラーページにポルノチックなポーズの絡み絵があるとぎょっとしてしまいます。

 少し前には内容も安定してきたような気がしていたのですが、また迷走状態に戻ったみたいな印象を受けました。「オトメキカングレーテル」が休載だからかな? 「HONEY CRUSH」のページ数が少なかったこともあるかもしれません。

 次号は復調していますように。

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