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『犯罪捜査の心理学』越智啓太

犯罪捜査の心理学―プロファイリングで犯人に迫る
越智啓太
化学同人
1470円
2008.5.20

★★★☆☆

 前回の『連続殺人の心理』に続き犯罪心理モノです。

 こちらは事例紹介は最小限で、連続殺人、ストーカー、大量殺人の特徴紹介と犯人像の分析、および分析手法の紹介が行われます。『連続殺人の心理』に登場したFBI方式に加えてさらに統計的手法が様々に発達していることを示します。

 堅いプロファイリングの話だけでなく、コラムと区切られたコーナーでは映画や小説を取り上げてプロファイリングと対照させて楽しませてくれたりします。読み物として楽しめる作りで先の『連続殺人の心理』のように延々と紹介される生々しい事例にうんざりさせられることもないはず。

 内容的にも新しいですし、鬱な気持ちにさせられる事例紹介も少なめなので『連続殺人の心理』に比べればソフトでとっつきやすいです。連続殺人や大量殺人が起きる度にワイドショーに引っ張り出される“専門家”が不勉強で頼りにならないという指摘もとても面白かった。
 統計は力、なのだなと感心した一冊でした。
 そしてその統計の根源にはおびただしい犯罪があるのだと考えると、やっぱり憂鬱な気持ちになってしまうのでした。

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