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『つづきはまた明日』紺野キタ

『つづきはまた明日』と『あまがみエメンタール』つづきはまた明日 1
紺野キタ
幻冬舎コミックス・バーズコミックスガールズコレクション
2009.2.24
619円


★★★★☆

 紺野キタの新刊。
 発売日だというのに幻冬舎コミックスは相変わらず置いてある店が少なくて、四件回ってようやく発見。店頭にはこの一冊きりでした。

 父子家庭の小学生兄妹。お兄ちゃんは五年生ですがありすぎるくらい分別のある子で大人っぽく、妹は小学校入りたて?で年齢相応な感じ。どうやらこの二人が主人公のようです。第一話ではお隣に女の子が越してくるのですが……と始まる日常を舞台にしたお話。

 けっして派手なお話じゃない、どころか日常を描いた地味な現代日本モノなのですが、ありふれているはずの家族の光景も紺野キタ世界として描かれると途端に魅力的に輝きはじめます。“現代”であるらしいのにそこはかとなく漂うノスタルジー。雰囲気だけに終わらないキャラクターの魅力的な内面描写。ああ、もうどう書けばうまく伝わるんだろう。紺野キタ漫画は感想から内容を想像するのが難しいのではないかと思います。「独特の空気感」と表現されることが多いようなのですが、未読の人には「ナニソレ?」ですよね。
 うまく言葉にできない魅力というのが“マンガ”という媒体ならでは、なのかもしれません。

 作中での清(さや・妹)ちゃんからの出題。

 「もんだいです。この中に何が入ってるでしょうか?」

 笑ってしまいました。紺野キタは『田園少年』でもお子さま系いたずらを上手に使っていました。他の作家が描いたらなかなかほのぼのとはまとまらないだろうなぁ。

 後書きでは紺野キタ(あるいは杳:お兄ちゃん)が『CSI:マイアミ』シリーズのファンであるらしいことが判明。ちょっと意外。

 Amazonには表紙写真がなかったようで梱包材を背景にして撮ってみたのですがなんだか思っていたように写りません。むぅ。

Yahoo comicsでは第1話と最新2話が読めるようです。

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