『プロペラ飛行機の興亡』黒田光彦
プロペラ飛行機の興亡
黒田光彦
NTT出版
1998.7.6
★★★★☆
先日読んだ『飛行機の100年史』と同ジャンルの本です。飛行機史を概観する内容なのですが、今回のは少し癖が強かった。もう十年以上前の本なので新刊書店では見つからないと思います。私も図書館から借りて読みました。
文章はあまりこなれていなくて技術に対する評価視点の偏りが感じられるという部分で“癖”を感じますが、これは著者が技術者上がりで自動車会社に長年勤務してきた人物だからでしょうか。やぼったさを感じる読み物ではあるのですが、取り上げられている個々の技術、飛行機への愛着と拘りが滲み出ている感じで、「読みにくいなぁ」と思いつつも最後まで楽しく読んでしまいました。
この手のマニア向け要素の強い本は「対象への執着」みたいなものが何よりですね。とはいえ飲み屋で熱弁を振るうメカオタク老人といった風情なので受け付けない人も多いかも。
取り上げられているのはリリエンタールの滑空機時代から第二次大戦までのレシプロ飛行機黄金時代。タイトル通り。技術や戦争の“戦略”について言及される部分も多く、そのあたりに著者ならではの部分があるように感じました。
なんとなくまだ読み足りない感じなのでもう少し飛行機本の発掘は続きそうです。
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