『ニッポンの恐竜』笹沢教一
ニッポンの恐竜
笹沢教一
集英社新書
2009.3.22
735円
★★★★☆
「モシリュウ」に「イナイリュウ」。
それぞれ別に見かけたならばどうということはないのですが、一冊の本の帯に並んでいると「居ないリュウ」と思ってしまうのではないでしょうか。
ところがこれが立派な国産化石爬虫類の名前なのです。しかも「居ないリュウ」の連想はけして大ハズレでもないという謎の化石。戦中に失われたという北京原人を思わせます。
古生物を学んだジャーナリストである著者がそのイナイリュウがなぜ居なくなってしまったのかを追いかける第一章。おそらく、この本は第一章のために書かれた物なのでしょう。
第二章以降はモシリュウ、ニッポンリュウ、エゾミカサリュウ、フタバスズキリュウと発掘の経緯が紹介されていきます。この中で一般に知られているのはフタバスズキリュウくらいでしょうか。こちらは発掘の経緯が関係者の手で本になっています。(感想⏎)
最後には近年恐竜化石を多産している手取層群をはじめ最新動向を紹介してしめくくっています。
あまり知られてこなかった日本の化石発見の経緯。興味深く読めました。同著者の『僕が「火星」を歩いた日』(感想⏎)よりずっと面白かったです。
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