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『サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ』小松左京監修

サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ
小松左京監修 瀬名秀明編著
NTT出版
2008.9.3
2940円

★★☆☆☆

 2007年、日本SF大会と世界SF大会が同時にニッポン2007として開催されました。そこで行われたシンポジウム「サイエンスとサイエンスフィクションの最前線、そして未来へ!」の講演第一部「ヒトと機械の境界を超える」と第二部「意識と情報の進化論」の記録と、講演においてSF作家たちに発された問いへの回答SF小説をまとめたものです。講演はロボットと知能の専門家たちによって行われました。

 魅力的なイベントだったようです。
 科学者達の講演はどれも非常に興味深い物でした。SF小説の世界には瀬名秀明がいるわけで、この人とロボット研究者や知能研究者のパイプによって実現したイベントなのでしょう。
 ですが、日本の狭いロボット・知能の研究世界。パネルディスカッションでは参加者それぞれが互いの研究についてある程度の知識を持っていたようで、馴れ合いの空気が。そして途中からパネルディスカッションに加わった海外からのSF作家は「わかってないなぁ」という感じのオミソ扱い。ガイジンらしい「禅」というキーワードや女性であるが故の肉体の年齢による変化の大きさを上げてみた物のディスカッション参加者からは(苦笑)が帰ってきたようです。知能におけるメディテーションの役割や身体性の変化に結びつけて話題を発展させる事ができなかったのはパネリスト側の“敗北”のように思えました。言葉の壁と共有している知識の壁があるとはいえ、「変な事を言い出すシロウト」扱いはなんだかなあ。“外”の人を呼んだ意味がない閉じたイベントのように見えてしまいました。異文化からの突拍子もない刺激に対応できない内輪の討論。閉塞感を感じます。
 科学者達が投げかけた問いを元に書かれたSFも、堀晃の「笑う闇」はリアルを感じる日常描写とお題の消化の融合が面白く感じられたのですが、他はいまひとつしっくりきませんでした。私の好みの偏りなのでしょうか、科学者達の講演の方が興味深かったです。現代の科学が提示した問題はSFの題材としては使い古されている観があり、かつ、ナイーブで、どうしてもアバウトになりがちなSF小説という舞台には合わない印象を持ちました。

 SF作家達からの返答として書かれたSFはTORNADO BASEにて読む事ができます。

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『「少女」の社会史』今田絵里香

「少女」の社会史
今田絵里香
勁草書房
3465円
2007.2.17

★★★★☆

 堅めの内容ですが、とても良い本でした。

  • 百合創作に携わる/志す人
  • 「少女」という言葉に惹かれてやまない人
  • 戦前の少女雑誌に関心のある人

にお勧め。

 『少女の友』を中心とした戦前の少女雑誌を対象に調査し、統計を取り「少女像」の成立と変遷を追います。明治期に成立した近代都市文化の中で形作られていった少女像を丹念に抽出し、丁寧に地道に浮き彫りにしていきます。各章、節ごとに前段をまとめ、反復していくので楽しむための読み物としてはちょっと煩雑に感じるかもしれませんが、腰を据えて読み進めていけばこの本はとても強力な「近代少女像」の教科書となるはず。
 もちろん、この本の中での少女は少女雑誌から映し出されたものではありますが、それでも当時の少女世界を垣間見る貴重な手がかりです。
 当時の「少女」を語る上で重要な“エス”についても第六章で詳しく取り上げられていました。分析の媒体が少女雑誌であったということもあり性については控えめですが。少女雑誌全盛期の女学生たちは現在すでに90歳超。女学校出身でエスのパートナーのいた人を見つけ出すだけでも困難そう。エスの実際の中身については具体的にどんな関係であったのかわからないままになるのでしょう。ペアそれぞれのエスの形があったでしょうし「普通」というのはあってないようなものであるのは今も同じかもしれません。
 百合スキーな人には巻末に記された参考文献も宝の山になると思います。

 この本を読みながら思い浮かべていたのは「『百合姫』は現代の『少女の友』になれるのだろうか」ということでした。情報の溢れる現代、少女雑誌はもはや当時のようには機能し得ないかもしれませんが、マイノリティであっても規範として少女を形作る容れ物になりえないだろうか、と。創刊当初には載せられていた小説は姿を消し、読者欄も戦前の少女雑誌のような熱気には程遠く――と思ったのですが、『少女画報』の「薔薇のたより」という読者コーナーが紹介されているのを見てコレダ!と思いました。可能性はありそう。
 そして何より当時の少女たちが羨ましく思えたのは「文章による交流」でした。そんな文化をなんとか現代の少女たちの間に(細々とでも)再興できれば素敵なのに。ブログやケータイメールで交わされるのは確かに文字コミュニケーションなんですが、ナンカチガウ気がしてなりません。

 人文系の学問は楽しそうです。著者はきっと「少女」というイメージに魅せられてこのジャンルの研究者になった人なのだろうな、とほっこりとした気持ちにもなれた本でした。
 この著者の視点では現代の百合物はどんな風に見えているのだろう、なんて思いました。

★ ★ ★

 『「少女」の社会史』を読んでもうひとつ思ったのは『マリみて』がほとんど完璧なエス小説であったという事です。“スール”という制度はエスにおける姉妹関係そのもので、多少アレンジがあるのが姉と妹は一対一でなく、妹はさらに妹を持てるということ。女学校でのエス姉妹は妹にとっては姉のみなんですね。ですが、それ以外は純潔主義も教養主義も完璧で、スールの姉妹が相互に支え合うことで互いを高め、相手を全受容する。同性愛→男性を排除した関係→女性の自立、とは進まずに(一応の完結を見てもヒロインが在学中で描かれないが)、心と心で結ばれた永遠の少女ネットワークを構築していく。
 改めて感動してしまいました。すごいぞ。『マリみて』。
 現代では恋愛結婚が当然の世の中になり、女性も男性に頼らずに生きていく事が可能となったために、現代版エス小説にオチをつけるとなると「女性の自立」や「レズビアンとしての生き方」に繋げずにまとめることが難しかったのでしょう、エス小説から逸脱してしまうそんなエンディングは示されないまま一応の完結を迎えました。
 この後を描くべきか否か。「女性の自立」や生き方としての「同性愛」を描く以外に示せる道はあるのか。
 ここを納得の行く形で示せる作品が次代の『マリみて』になるのかな。(2009.4.27追記)

関連書籍レビュー

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『乙女は花に恋をする――私立カトレア学園』沢城利穂

乙女は花に恋をする―私立カトレア学園
沢城利穂
一迅社文庫アイリス
620円
2009.4.20

★★★☆☆

 『百合姫』Vol16に掲載されていたプロモコミックまんまのイメージのお話でした。アニメでいうと『ストロベリーパニック』が近いかな。小説という形になると対象年齢がティーン前半くらい?という印象です。
 読んでいてなぜか気恥ずかしくなってきます。たぶん読み手として対象年齢を(大きく)外れてしまっているためだと思うのですが、ヒロインのロリキャラ振りが「堪忍してぇ」と言いたくなるくらい徹底してます。甘々な雰囲気の好きな人には堪らないかも。最後の方は砂糖がきらきら輝いちゃうケーキくらい甘いシーンで埋められていました。私にはちょっと甘すぎたかも。
 学園の王子さまとお姫様を選ぶイベント(女子高なので王子も姫も女の子が扮する)に向けてのクイズ・クエストがお話の中核となります。
 シリーズ化できそうな世界観ですが、お話的にはしっかり落着していました。

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招き猫@豪徳寺

八重桜と一緒 GR DIGITAL F2.4 1/100sec ISO64

 昨日は強い雨が降り、八重桜も散ってしまったかな、と思って覗きに行ってみました。思った通り招き猫奉納所は花びらに埋もれておりました。参道入口の二本の八重桜も落ちた花びらが山を作っていました。八重桜が散るとなんとなく初夏の気分です。

花びらの絨毯 GR DIGITAL F3.2 1/160sec ISO64

 八重桜の絨毯。招き猫の入学式。

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『コミック百合姫』Vol.16 & 『百合姫Wildrose』Vol.3

コミック百合姫 Vol.16 2009 SPRING
一迅社
880円

★★★★☆

 500ページを超えて分厚いです。しかもどの話も面白かった。『つぼみ』というライバルができてテンションが上がったのでしょうか。以下、各タイトルの簡単な感想と紹介をごたまぜで。掲載順です。

飴色紅茶館歓談 藤枝雅
 ややややっ。前号でクライマックスかに見えたのですが「そんな基本的なとこからかいっ」と突っ込みを入れたくなる不思議系がヒロインだったのでした。
 今号にはこの「飴色~」のドラマCD付録があったのですが、これ、聴いていてむちゃくちゃ恥ずかしいです。脳味噌浸食されてる感が。5/18発売の『飴色~』単行本限定版 の強烈なプロモになりそう。あ、Amazonは限定版の予約分、これを書いた時点で捌けちゃってるみたい。
くちなし 日輪早夜
 Vol.12の「さくら文通」で印象の良かった大正浪漫風再び。この作者の作風にあっているような気がします。
スミレちゃんの涙 タカハシマコ
 タカハシマコは黒タカハシマコと白タカハシマコがいるはず。今回は黒かなと思いきや……。二冊目の百合単行本が出せるほどはまだ原稿は溜まっていないのかな。二年弱前の『乙女ケーキ』で装丁も中身もとても印象が良かっただけに次の単行本が待ち遠しい。
Girl's End 藤生
 藤生の前回掲載作からするとかなり意外感のある話でした。今回の舞台は怪しい感じのガールズ・バー。セクシャリティ問題へのアプローチも期待できそう。続編のあるプロローグに見えなくもないけれどどうなんだろう。前回掲載作も続編がありそうな気がしたんだけど。
百合の花粉は落ちにくい 三浦しをん
 楽しみにしている連載エッセイ。今回はこうの史代の『街角花だより』を取り上げつつ、シェイプアップと悦楽を秤にかけます。そしてとってもフキンシンな想像を巡らして読者の笑いを誘うのです。
クローゼット 倉田嘘
 『百合姫S』で精力的に短編を発表していた倉田嘘が本家『百合姫』にも。応援したくなる作風というのはあるようで、この作者がまさにそう。なんでだろ。今回は高校の書道部のお話。同性を好きになる自分をカミングアウトして始めた部活動だったのけれど……と。
消し去る恋と願いごと かずまこを
 消しゴムに願い事、という小ネタの短編。『純水アドレッセンス』では生真面目で変わり者のななおにはらはらさせられましたが、今回は割とプレーンというかほのぼのというか。
したたかでいて、不器用な 東雲水生
 猫目堂シリーズ。今回のテーマは距離感と良いところを突いてきます。少女と青春の話には欠かせない要素でヒロインたちと同年代の女子には強く共感できる人も多そう。
ソルフェージュ さわななお
 百合&音楽ゲームのコミカライズ。あ~、PSP買ってみようかな~。
天気予報は 藤たまき
 前回が雪の話で今回は春。ヒロインの一方の花江はきっと匂いフェチ。
水色シネマ 乙ひより
 連載第二回。ぶにぶにされてしまう多恵ちゃんは一応ヒロインなのでした。
この願いが叶うなら 袴田めら
 シリーズ完結編。さらにドロドロした人間関係になりそうな予感がしていたのですが、一安心。でも少し物足りない気もするし。と思ったのですが、連載分をまとめて読み返すと十分にドロドロでした。
ハニーマスタード 森島明子
 作中に登場したモチコチキン食べたい!と検索したところ実在するハワイアンフードなんですね。ネットのレシピを参考に作ってみたのですが、このパリパリ感は記憶にあるゾ。祖母の鶏唐がこんな感じだったような。
 無自覚女たらしの亜麻井さんが格好良すぎる。って八月に新刊出ると予告がありますが、作者仕事量スゴイことになってるのでは。
初恋構造式 天野しゅにんた
 構成がばっちりまとまっててちょっと前に新人賞入選した人とは思えない完成度。片想いしていた相手に子供ができ失恋。その相手にかけた呪いが「君の代わりにおなかのその子が私を好きになればいい」。ぉぉ、光源氏計画の呪いとはナイスアイデア。そういえば最近は「光源氏計画」なんて表現も聞かないような。
アップルデイドリーム 城之内寧々
 いつの間にか由真のデレが公認状態。いつからだろう、と思ったら「毎日20回電話」の回あたりから? 関係が安定してきたためか薫のヘタレにやきもきしがちなこの数回。今回の最後のコマのセリフは読者の気持ちかも。でも「そこで引くな!」だの「ダメな人だなー」だのと同僚たちにヘタレ具合を指摘される薫のあっさりさ加減が自然に感じられるのは――もしかして私もヘタレなのでしょうか。
響命 花津やや
 任侠モノというかマフィアモノというかバイオレンスな感じ。世界観としてはライトノベルの『黄色い花の紅』(アサウラ)を連想しました。主役二人は格好いいし絵になっているけど男の悪役・脇役のザコっぽさに百合姫の賞に投稿すべくして投稿した作者なのだと妙な納得が。
私立カトレア学園・乙女は花に恋をする つたえゆず/沢城利穂
 カラー3P漫画+紹介記事。一迅社文庫アイリスからの新刊のプロモ企画かな。小説本も買ったので近いうちにレビューできるはず。(感想)
紅蓮紀 武若丸
 『百合姫』連載陣で一番漫画らしい漫画だと思うのです。毎回盛り上げて盛り上げてとどんどん盛り上げて「もうすぐ最終回?」といつも思うのですがまたさらに盛り上げるというパワフルさ。次回は一息入るかな? 今回は大きめのネタ明かしをして一段落の雰囲気です。
昔も今もこれからも 竹宮ジン
 前回掲載された一迅社コミック大賞作のアナザーサイドストーリー。基本的にシリアスな話なのだけれど要所要所で登場するかけあいにお笑いコントの雰囲気が。
インプリンティングのコーヒー 四ツ原フリコ
 匂いは記憶と強く結びつくそうですが……でインプリンティング。受賞作からの一連の連作と同じ舞台の続編です。この作者の前回は記憶喪失の話でしたが、記憶とか思い出とかそういう話が得意なのかな。

 掲載作がいっぱいで短くまとめたつもりの感想もけっこうな分量に。

百合物三点 百合姫Wildrose Vol.3
一迅社百合姫コミックス
890円
2009.4.18

★★★☆☆

 やや成年誌寄りのレディースコミックのような表現でベッドシーンが前提。男性向け成年誌ほどではないですが18歳以上を推奨したいです。

 Amazonには商品写真がなかった(4/20時点)ので自前で。華やかな表紙です。

 エロ物は感想が書きづらい。
 とりあえず「なんで玄鉄絢がここにいないんだー!」と叫びたいです。『少女セクト』で描かれた絡み絵は体の線が綺麗に見えるシーンが多くて大好きなのに。
 Wildroseも濡れ場限定ではなくて、裸を思う存分描いた肉体美追求グラビア的な作品があっても良いような。

 新顔作家からピックアップで感想を。

 大槻ミゥは百合姫系列では初めてかな? BLの描き手というイメージでしたが、うう、イチゴミルク見るたびに思い出しそうなネタをかましてくれました。
 高橋依摘は5/18にいきなり新刊予告があり、これまで『百合姫』での連載もなく「はて?」と思っていたのですがケータイ配信作からのちょっとえっちな系列の単行本のようです。Wildrose掲載作はプロモ的に機能しそう。絵柄自体は少女漫画度高めですが、引きの構図が多くてアップよりも「いいのかな、これ?」と思ったり。
 花田マコは8ページでコミカルタッチ寄り。
 天野しゅにんたは新人賞の百合姫部門の人ですね。裸が手慣れた感じ。同人で描いていた人なのでしょうか。
 百合姫本誌からは柚葉も。この人は独特のレトロな雰囲気。ああ、イジワルキャラいいなぁ。『大草原の小さな家』でネリーのファンだった私には痺れるものがあります。

 Vol.3になりましたがまだ想定読者像がよくわからなかったり。各々の作家のファン向けという印象でした。これまでの三冊の中だとVol.2の城之内寧々の話が一番印象に残ってます。

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人形博物館・マリアの心臓 大正デカダン展

 渋谷に「マリアの心臓」なる人形展示スペースがあると知って見てきました。
 住所だけメモして出かけてみたら一帯住居表示がないビルばかりで迷子に。(地図) GAPの向かい、アップルストア渋谷店の隣、と探すと見つけやすいかも。ビルの正面にも目立つ看板があるわけではないので「このエレベータでいいのだろうか」と不安になりながら辿り着いたのでした。

 4/4~5/10は『大正デカダン展』なるテーマで展示中。

 狭い。暗い。妖しい。
 デカダンと銘打っているから、ではなく元々そんな空間を目指しての展示スペースなのでしょう。見学者同士が擦れ違うのも苦労するような狭く照明の少ないスペースに人形が飾られていました。小さく妖しい現在進行形のデカダン。現代作家の手になる球体関節人形からジュモー、市松人形と、工芸からアートにまたがるジャンルの人形たち。

 お土産にポストカードを買って帰りました。

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『日曜日に生まれた子供』紺野キタ

日曜日に生まれた子供
紺野キタ
大洋図書ミリオンコミックス CRAFT SERIES
630円
2009.3.28

★★★★☆

 紺野キタのBL短編集です。比較的ソフトな描写ではありますが『田園少年』よりは少々ダイレクトというか腐度高め。しかもミドルエイジだったり爺受けだったり。
 かつての『百合姉妹』に掲載されていた百合短編も二つ含まれていました。

 書名の『日曜日に~』が連作で三編。のミドルエイジの病弱で少し頼りない感じの貴族の坊ちゃんと執事の話。この話に出てくるぱりっとした若い執事(表紙の紺?黒?スーツ)が妙に格好良くて紺野キタの表現力本領発揮してます。キャラとしては少々ヨゴレ役的な過去を背負っていたりするのですが、それでもぱりっと凛々しく男前でいられる純情?は「少年」を保ち続ける大人の男ということなのかな。

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『青年のための読書クラブ』桜庭一樹

青年のための読書クラブ
桜庭一樹
新潮社
2007.6.30
1470円

★★★★☆

 タカハシマコによるコミカライズ版を読んで「読まねば!」と手に取った原作本。大当たりでした。

 コミック版の第一巻では原作の第一章と第三章が取り上げられていたのですが、読み比べて驚きました。嬉しい驚き。
 内容面ではほとんど変わらないのですが、行間から薫る空気感がぎっしりと漫画化されていて、希釈されがちなメディア展開の中では珍しいくらいに濃厚なコミカライズではないかと思います。桜庭一樹の文章の持つ雰囲気とタカハシマコの雰囲気と、どちらも殺さずに漫画化ができているこの幸せ。
 原作既読でコミック版を読んでいない方には是非コミック版をお勧めしたいし、コミックだけ読んでいてこちらの原作を読んでいない方にも原作をお薦めしたいです。

 お話自体は聖マリアナ学園というお嬢様校の読書クラブを舞台に、時系列はばらばらですが、変曲点を捉えた連作短編として学校創立から最後の時までを綴ったもの。甘やかな少女の園と言うには少々雄々しいというか、凛々しいというか、演劇的な雰囲気の漂う聖マリアナ学園。互いに“ちゃん”付けをして幼子のように甘えあうお話とは程遠く、それでいて粗野にならないあたりに少しヅカっぽい、創作における少女の園特有の空気が漂います。倉橋由美子や恩田陸の、少女を主題にしたお話が好きな人には楽しめるのではないでしょうか。

 原作とコミック1巻のもっとも大きな違いは「撃つように撮っていない」の部分かと思うのですが、この部分は私はコミック版のタカハシマコに一票。

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所沢航空発祥記念館

所沢航空発祥記念館 桜吹雪 GR DIGITAL F4.5 1/870sec ISO64 -0.3EV 所沢航空発祥記念館へ行ってきました。
 桜がちょうど散り際で、あちこちで桜吹雪が舞っておりました。

所沢航空発祥記念館 浮田幸吉のグライダー F2.4 1/32sec ISO84 -0.3EV まずは解説展示。
 写真は江戸時代の浮田幸吉という人物による滑空飛行の様子。航空発祥記念館の模型はどれも妙に格好良くて絵になります。

 飛行の原理を紹介するコーナーも割に楽しめました。理論紹介ではベルヌーイの展示がありましたが、ストークスやジューコフスキーも欲しかったかな、とちょっと思ったりして。翼の循環の様子が目で見られる風洞……は難しいか。写真でも微分に相当することをしないと視覚的には見えてこないのですし。

航空発祥記念館 徳川大尉の日本動力初飛行 GR DIGITAL F2.4 1/32sec ISO100 -0.3EV

 こちらは日本初の動力飛行ジオラマ。
 徳川大尉が第一号、ということになっていますがその前日に試験飛行にも成功していたという話も飛行機本などでは紹介されているようです。

航空発祥記念館 フジT1-B GR DIGITAL F4 1/133sec ISO64 -0.3EV 実機の展示は太平洋戦争以降、自衛隊で使われていた機体が中心で日本の航空史上もっとも華やかだった太平洋戦争直前~戦中の機体がないのは残念でした。
 左の写真はフジT1-Bジェット練習機。ブタ鼻がカワイイ。

航空発祥記念館 ニューポール81E2 GR DIGITAL F2.4 1/16sec ISO154 -0.3EV お目当てはこれ。
 ニューポール81E2。練習機です。
 右の写真は復元レプリカ。
 下側からのぞけるエンジンの銅色のパイプは吸気管。排気管はナシでポートからそのまま外に排気していたようです。OHVに見えますがプッシュロッドは一本で、ヘッド上でシーソーのように吸気バルブと排気バルブを駆動していた模様。
 星型回転式エンジンという第一次大戦前夜~大戦間まで小型軽量エンジンの主流であった形式で、エンジンそのものがぐるんぐるんとプロペラと一緒に回転します。キャブレターは回転しないボディ側にあり、混合気がエンジン内を通過してシリンダーに導かれるので熱せられて吸気密度が低くなってしまいそう。でもこれで80馬力あったそうです。「潤滑もしないバルブ周りでよくぞ……」と思わされます。しかも車やバイクとは違う常時全開運転が前提の80馬力。1920年代はじめ――と考えるとこのエンジン、めっちゃコンパクトで高性能です。
 アメリカ製のレプリカって解説がありましたけど、これ、実際に飛びそうな感じ。ありとあらゆる部品が「機能するぞ」ってクォリティでした。

航空発祥記念館 岩田正夫のニューポール GR DIGITAL F2.4 1/21sec ISO154 -0.3EV なぜニューポールのレプリカが飾ってあるのか、という理由はこれ。
 こちらはレプリカではなく実際に日本の空を飛んだ当時の機体です。外板も翼も失われてしまって、わずかに骨組みとエンジン、プロペラだけですが当時の航空機がほとんど残っていない日本では貴重な機体のはず。岩田正夫という個人飛行家の飛行機であったそうです。
 こ、こんな造りで飛んでいたんだ……。
 木金混合構造なのでしょうが、締結部がフランジでのカシメだらけで建設現場の足場のようです。しかも金属部分はめちゃくちゃ重そう。主翼や脚の支柱は一応空力に配慮したような形ですが、もしかして中身が詰まった中実? 目を凝らして覗いてみた感じでは中空ではなさそうでした。
 エンジンは機体に比べると投入されている技術水準がずっと高そうです。部品の造型はシンプル。現代の技術に比べるとメカニズムとしての魅力が強い気がします。
 実物の展示品は長年お寺に保存されてきたとかであまり見映えがしませんが、この実機が空を飛んだ場面を見ていた人たちのインタビュー映像なども流されていて血の通った展示になっている気がします。

航空発祥記念館 会式一号飛行機 GR DIGITAL F3.2 1/39sec ISO64

 ロビーの吹き抜けに飾られていた会式一号飛行機。写真からだとわかりづらいですが、これプッシュ型のプロペラ配置で星型回転エンジンとエンジンマウントの間にプロペラを挟んでいます。この時期の輸入エンジン+自作機体ではなぜかエンジンマウントとエンジンの間にプロペラを挟むのが流行っていたようです。張線の数もすごい。

 今回は「一次大戦頃の飛行機が見たい」ということで来てみましたが、この時代の色々な種類の機体が見てみたいです。う~ん。どこに見に行けばいいのかな。三沢航空科学館には奈良原式というのが、かがみはら航空宇宙博物館にはハンス・グラーデと陸軍乙式一型偵察機があるようですが。交通博物館が持っていたはずのアンリ・ファルマン機はどこに行っちゃったんだっけ。

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『暴走する脳科学』河野哲也

暴走する脳科学
河野哲也
光文社新書
2008.11.20
777円

★★★☆☆

 面白かった。興味深かった。でも、すっきりしなかった。

 挑発的なタイトルですが、先走り気味かな?
 非侵襲的観測によって脳の研究が進みつつある現在、倫理面で問題のあることが起きている/起きようとしているのでは、と警鐘を鳴らす内容です。
 ドーキンスの“拡張された表現型”を心に当てはめて、心というのは脳だけではなく社会にも広がっているんだよ、という考え方を紹介し、水槽の中の脳――ロボコップなんかにも出てきた昔ながらのアレ――はうまく機能しないんじゃないか、という分析哲学者の考えを示します。
 これは第二章なのですが、この時点でなんとなく納得が行きません。心は周囲を取り巻く環境にまで広がるって、そんなの哲学なの?新たな発見なの?と。「環境」というのを無限遠まで拡張すればそれは「世界は心が生み出した幻影」というデカルトの懐疑説で棚上げにした世界の実在の真偽にまで辿り着いてしまいそう。そもそもドーキンスの「利己的な遺伝子」論は遺伝子の媒体や仕組みを特定せず、遺伝子のスケールをミクロからマクロまで自由自在に変えて論じることができ、絶対に否定できないけれど証明もできないロジックの代表です。著者が骨相学を振り返って「局在機能が無限に増える」という指摘を紹介しているのに、ドーキンスの考え方が「遺伝子が無限に増える」ことと同義の代物であることに気づかなかったのでしょうか。オカルトを例に引いても説得力が今ひとつです。
 そんな感じで「なるほど!」と膝を打って興味を持てた部分もあれば「え~?」と納得できない部分もいっぱいの本でした。
 最後に著者は心理主義というものを紹介して(ここでも例引きされている項目には納得が行かないのだけれど)、脳科学が個人の尊厳を押し流す方向で発展していくのではないかと危惧を表明します。つまり、実際に脳科学が暴走しているぞ、という警鐘ではなく、これから暴走する気配が濃厚だという指摘をして締めくくります。

 気に入らない部分も多かったけれど、刺激になった考え方、現状紹介も多く創作の種をいっぱいもらった気がします。

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福島正実記念SF童話賞・結果発表

福島正実記念SF童話賞 結果判明 4/1に第26回福島正実記念SF童話賞の結果が送付されてきました。

 一次選考通過

 残念ながら二次以降へは進めませんでした。
 結果は冊子にまとめられており、最終候補作品の選評が掲載されていました。選考委員会(編集部?)の評と各選考委員個別の評が載せられています。受領確認もそうですが、こうした丁寧な対応が好印象の福島正実記念SF童話賞でした。小さな事ですが、応募して良かった、と思わせられます。
 最終候補作品はどれもおもしろそう。

 小学生の頃の私は大人びた本を読むのが好きで自分のモノサシを基準にしてしまったのか、振り返ってみると対象年齢が高めの応募作になってしまったようです。次回は小学校中学年にきっちり読者を絞り“童話”であることを忘れず、かつ、SFのSはScienceなのだという気持ちを維持して挑戦してみるつもりです。

 岩崎書店の公式サイトでも第26回分の発表と選考経過が公開されていました。(4/21追記)

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ディスカバリーチャンネル『恐竜のミイラ』『ミクロラプトル』

 ディスカバリーチャンネルの無料放送枠で恐竜特集がありました。

恐竜のミイラ SECRET OF THE DINOSAURUS MUMMY
 先に購入した『発見! 恐竜のミイラ』という本(感想)はあまり知りたいことが載っていなくて不平たらたらだったのですが、今回見た番組の方は大満足。きちんと立体構造を保ったままの軟組織が化石化していて「すごいっ!」と食い入るように眺めてしまいました。皮膚の鱗模様がくっきり、クチバシのケラチンもしっかり。(CTではないけれど)放射線を利用した透視写真では腸や肝臓、胃、嗉嚢(そのう)まで確認でき、見たい部分がしっかり紹介されていました。これはもう見るしかないって感じです。こちらは「レオナルド」で、前記の『発見! 恐竜のミイラ』に載っていたのは「ダコタ」という個体です。ミイラ化石として有名なのはダコタの方で、これは『恐竜2009―砂漠の奇跡』にて来日予定だとか。どちらもハドロサウルスの仲間だそうです。
ミクロラプトル THE FOUR WINGED DINOSAUR
 異なる説を唱える学者同士ってすっごく仲が悪そう、というのがよくわかった番組でした。「鳥の祖先は恐竜じゃない」「いや、恐竜だ」と譲りません。ううむ。
 ミクロラプトルの映像は見事の一言。雑誌やwebですでに幾度も紹介されている有名な化石で、『恐竜博2005』でも発掘後間もないのに展示されていて感激したのですが両手、両足の四枚の羽が本当にはっきりと見て取れるのです。この番組では復元骨格から「飛行したか?」「飛行姿勢は?」といった部分に焦点を当て、生体復元モデルを風洞に入れて空気抵抗や揚力を計測します。生体復元モデルは微妙にはげちょろけていて「もっと羽毛をつけたい」って感じでしたが、揚抗比の良い結果が出ました。ちょっとドラマチック過ぎない?と思わないでもないですが興味深く楽しい番組でした。

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『耽美なわしら 2』森奈津子

耽美なわしら 2
森奈津子
ハヤカワ文庫JA
2009.3.25
798円

★★★★☆

 第二巻もやっぱり電車の中では読めない本でした。抱腹絶倒のお笑いでぎっしりというわけではないのですが、セクシャリティについて考えさせられるシーンの合間にスコーンと笑いのツボを突いてくる油断のなさ。
 とはいえ二巻は笑い成分よりも耽美方面の掘り下げの方に重心が移ったようにも思えますし、後書きにあるように続編も期待できそうな締めくくり方でした。
 表紙イラストはちょっとお洒落過ぎるかな? ターミネーターっぽいアニキがパースの位置関係もあって控えめです。トシは図らずも肉体派として活躍してしまうシーンがもっと読みたかった気もします。何のかんのと言ってもトシが一番乙女なハートの持ち主で作中での可愛さはピカイチ。映像にしたらむさ苦しそうですが。

 鳥肌ゲームは楽しそうな、楽しく無さそうな。って、そんなことを思ってる時点ですでに森奈津子の術中なのでしょうか。

森奈津子作品の感想記事

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SONY VAIO type P その8・Vistaクリーンインストール

 不要なアプリを最初から入れない、できるだけクリーンな環境のVistaをインストールしたい。そう思って

リカバリ直後の「プログラムと機能」 の記事を参考にしたのですが三月半ばに購入した店頭モデルではリカバリディスクの内容が変更されたのか記事の通りには行きませんでした。
 そこで

  1. DVDからのブートでリカバリセンターのガイドに従いリカバリディスク1の内容をインストール
  2. ガイドに従いリカバリディスク2の内容をイントールし最初にリカバリディスク2が排出され、二回の再起動後にディスク入替要求があってもキャンセル ※内蔵ドライブ上やフラッシュメモリ上にフリーエリアがたっぷりあるドライブがあるとDVDの内容がキャッシュされて「リカバリディスク1を入れて下さい」表示が出ないかも。
  3. 成り行き任せでインストール終了

 これで画像のような余分なアプリを入れないVista環境ができました。ようするにテキトーなところでインストールを中断すれば良いわけです。
 リカバリ作業が終了した後にVista上からリカバリセンターを起動し、「ソフトウェアの再インストール」で必要と思われるアプリを追加すればOK。ドライバ類は特に追加しなくても構わないようです。

 当ブログの購入直後の記事で「不要なアプリを削除」なんて面倒なことを書きましたが(かなり時間がかかる)、上記の方法でインストールしなおすのが手っ取り早く、またVistaの動作も格段に軽快になります。

 これでようやく小説書き環境が整ってきた気分。

 ただし、メモリースティックへのアクセスはまたSeqRead:15MB/sec、SeqWrite:10MB/sec程度のベンチ結果になってしまいました。SONY謹製のカードリーダー用ドライバを入れ直してみても変わらず。訳がわかりません。

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『ゾルンホーフェン化石図譜[Ⅰ]』K.A.フリックヒンガー

ゾルンホーフェン化石図譜〈1〉植物・無脊椎動物ほか
K.A.フリックヒンガー著 小畠郁生、舟木嘉浩、舟木秋子訳
朝倉書店
14700円
2007.5.20

★★★★☆

 掲載されていた化石の状態・ラインナップはすごかったけどあとちょっとと思うところもありました。

 まず写真。
 点数が多くて見応えたっぷりなのですが一ページに四~六枚も掲載されていることがあって個々の化石の細部が気になってもよくわからずもどかしい気持ちに。フルカラーできれいですが、きれいなだけに「あとちょっと」という気持ちになります。贅沢ですね。高解像度のデジタルで出版されれば……なんて思ったり。

 文章。
 これは『バージェス~』以外の『××化石図譜』と題された物共通で訳が少々ぎこちないです。とはいえ写真に添えられる短い説明が中心なので、さほど気にはならないかも。

 この本の目玉は恐らくトンボと甲殻類。奇跡のようなクリーニングが施された立体のバッタ化石もすごい。
 商業的な石版採掘に伴って化石が産出している、という経緯を読んでなるほどと感心したりもしました。石版材料として丁寧に石材を切り出していたからこその化石の名産地ゾルンホーフェンだったのか……と。

 続編の『ゾルンホーフェン化石図譜〈2〉』の感想も書きました。

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SONY VAIO type P その7・ポータブルドライブでのリカバリ作成

 VAIO type Pにはリカバリディスクが付属しておらず自前で作成することになります。
 ネット上のユーザたちの声からするとtype Pのリカバリディスク作成は失敗率が高いよう。

  • ドライブ、本体ともにACアダプタを接続する。
  • リカバリ作成中はtype Pで作業しない。
  • 品質の良いDVDメディアを使う。
  • 二層メディアは使わない。

 こんなことが注意として挙げられていました。

 実際、私もリカバリディスク作成に当たって上記を守ったにもかかわらずDVD-Rを二枚無駄にしました。ドライブは『BUFFALO DVSM-P58U2/B』です。失敗の原因はよくわからないのですが、何枚も記録メディアを無駄にして悩んでいる人は“鰯の頭”くらいの気持ちでお試しあれ。

  • ポータブルドライブを振動させない。

 薄型のポータブルDVDドライブは高速アクセスで振動が多いです。広辞苑を土台にし、上にコミックスを四、五冊積み上げ共振を防いでみました。
 本当ならば書込速度を制限して振動を抑えたいところなのですが、よくわからなかったので原始的な対策。

  • 熱を冷ます。

 書込型DVDは結構発熱します。一枚目のリカバリに成功してもすぐには続きに取りかからずにドライブの扉を開けて十分くらい放置。

  • ノイズフィルタ入りUSBケーブル/ACアダプタを使う

  私の使用したポータブルDVDドライブはACアダプタの質が悪かったようで、ラジオを手に持ってドライブのUSB端子に触ってみたところノイズを拾いまくり。

 CPUのAtomはクロック倍率が自動で変動します。USB周りのスループットも省電力状態で変化するようです。

  • 省電力モードを[高パフォーマンス]にしておく
  • SDメモリ、メモリースティック、不要なUSBデバイスは挿さない
  • デバイスマネージャで不要な付属デバイス(カメラ、ワンセグetc)は[無効]にしておく

 これからtype P用に光学ドライブを手配するなら薄型ポータブルではなく、デスクトップ用の少し重く厚い外付けドライブが確実かもしれません。どのみちtype PではDVDドライブなんて持ち歩かないと思いますし。

 type PのUSBコネクタは供給電力が不足気味だったようで、今回使用したBuffaloのポータブルドライブはバスパワー駆動では単なるDVD-ROMの読み込みもうまくいきませんでした。DVD-Rはバスパワーでも読めるのに。

 リカバリディスクが作成できたということでWindows Vistaのクリーンインストールも試してみました。
 感想は近日中に。

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招き猫@豪徳寺

サクラマネキ GR DIGITAL F2.4 1/330sec ISO81 -0.3EV 写真は3/28に撮影した物です。五分咲き……いえ、三分にも満たなかった感じですが、四月に入ってそろそろ見頃ではないかと思います。豪徳寺正門横の花屋さんです。

にゃにゃ福神? F2.4 1/28sec ISO154 -0.3EV “豆”サイズの招き猫と布袋様? 恵比寿様?が可愛らしい。

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