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『コミック百合姫S』 VOL.9 2009 SUMMER

コミック百合姫S VOL.9 2009 SUMMER
一迅社
880円

★★★★☆

 今号は百合姫本誌で馴染みのある作家が多いせいか、雑誌の雰囲気の差がSと本誌とで小さくなった感じです。そして厚い。470ページ。

 簡単に各話の紹介&感想を。表紙に名前があった玄鉄絢はお休みのようなのですがこれは表紙の記載ミスかな。

此花亭奇譚 天乃咲哉
 おや、見覚えあるキャラたち、と思ったら『百合姫S』VOL.4に掲載の「Cherrylip」の連載バージョンであるようです。雰囲気は明治初めくらいかな。獣耳キャラでいっぱいの世界。キツネっ娘の仲居さん揃いの宿屋「此花亭」に奉公へとやってきたヒロイン・柚のお話のようです。今回は登場人物紹介も兼ねたエピソードでした。
紅蓮紀 武若丸
 百合姫本誌からの出張番外編。本誌最新号では悲劇まっしぐら?シーンで「つづく」になっていましたがこちらでは楽しくいちゃいちゃ。
死神アリス いづみやおとは
 VOL.6の読み切り「死神アリス」を連載化するようです。殺し屋らしき幼い少女と女子高生の出会いのお話。読み切りの時より設定が複雑になったようで、どうお話を変えてくるのか楽しみ。
博士のこねこと雨の朝 かずまこを
 ペンネームは「かずま・こを」なのか「かず・まこを」なのか。それとも通しで区切らないのが正解なのかな。4ページの掌編。百合姫本誌での掲載作とは少し絵柄を変えてきたのかな。等身の低いキャラは特に萌え絵に振ってきた気がします。
ゆるゆり なもり
 毎号複数話の短編掲載で七月には単行本。今回は七夕、テスト、怪談、海、主人公はだれ?という五つの話。季刊誌とはいえいっぱい描いてるなぁ。
flower*flower 石見翔子
 この二話ほどニナに元気がなくてテンションが低め。次号はきっと急展開。同作者の『かなめも』も七月からアニメ化されるとか。巻末のライターズ・コメント欄では続きは次々号だそうです。季刊だと一回休みは大きいな。
生徒会の花ドロップ 丸美甘
 一迅社コミック大賞からだそうです。生徒会モノ四コマ。新人賞からの掲載ですが商業誌での活動もある作家さんであるようです。作者公式サイト⏎
LOVE CUBIC 谷村まりか
 最終回もおもらし回想が。お話がぱたぱたと進んでなんとか落着。血縁ネタはもう少し伏線が欲しかったかな。
apocalypse 倉田嘘
 カラーページに大きく掲載された携帯ゲーム機、いいなぁ。キーボードがきちんとしてて使いやすそう。
 少年誌では割とお馴染み?のゲームネタ。MMORPGと恋愛を絡めるというのはナイスかも。私もちょこっとだけMMORPGなるものをやってみたことがあるのですが、ゲームの中でのプレーヤー同士のカップリングというのは割とあるようでうまい設定に思えます。連載です。先が楽しみ。
マイナスりてらしー 宮下未紀
 最終回。いわゆるビンボー神の呪いの話なのですが、最後まで「マイナス金運」という言葉に違和感が。前回から続けて読み返すとお話の方は良い感じに盛り上がってすっきりとまとまり、ちょこっとしたオマケオチのつけかたも良かったです。
ふたりとふたり 吉富昭仁
 ライバル誌『つぼみ』でも少しだけ年の差のあるヒロイン二人×二組で「こっちももしかして姉妹?」と思ったのですが違いました。どころか、あれれ、いきなり濡れ場だよ。ダブルで。とちょっとびっくり。『百合姫S』の方は多少際どくてもベッドシーンのないお色気止まりかなと思っていたので驚きました。連載第一話。
HER DESIRE 夏猫
 コントラストの強い絵柄と映画風の展開の夏猫。『S』では四ページと短かったこともあってか逆転構図のシナリオがちょっと窮屈な映画プロモ風?
オレンジイエロー 乙ひより
 乙ひよりは作風というか雰囲気というか、しっかり乙ひより風があってそれが好みに合います。今回の新連載も第一話からぐっと引き込んでくれました。タイトルのオレンジイエロー(orange & yellow)はどんな意味なのかな。
そんな二人のこんな日常 黒柾志西
 お姫様だっこ。眠り姫を目覚めさせるのは、という感じでワンシーン八ページ。
マーブル・カラー 藤枝雅
 「飴色紅茶館」や「ことのはの~」の藤枝ワールド大集合。
HONEY CRUSH 椿あす
 新たな幽霊が登場してさらにカオスな展開に。最初の頃とは絵柄もけっこう違ってきている印象。
南波と海鈴 南方純
 不条理ギャグは今回少しおとなしめ?
カシオペア・ドルチェ 高木信孝
 お出かけ慰安旅行編。水着あり夜這いありちゅーいっぱい。水着が洋物のグラビアみたいでした。紐。
お姉ちゃんはカノジョ 珠月まや
 VOL.6の「カノジョはイモウト」の続編。耳打ちしていた内容はなんなんだー。
恋海月―ちくっと― すこやか
 一迅社コミック大賞の入選の人の二作目、かな。お話の展開というかセンスというかどこかに独特の唐突感・シュール感があって印象に残ります。

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