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公開電子ブック規格EPUB

 「Google、100万冊以上のパブリックドメイン書籍をEPUB形式で公開」というEngadgetの記事でePubなるデータ形式の存在を知りました。SONY READERでも採用されていてなんとなくスタンダードになりそうな予感。と思ったのですが、電子書籍の規格としてはまだ不十分な感じ。

 関連ツールを探してみたところ……ありました。青空文庫形式をePub形式に変換する"Text2ePub"。MeTilTran、eTilTranというスキャンデータ加工の名ツール開発主が制作したソフトではありませんか。さっそく試してみました。
 完成したepub拡張子は実はzip+xhtmlとのことで中身を見てみると。

 ほんとにhtmlまんま。

 ルビのタグはI.E.しか採用していない暫定の<ruby>タグですし縦書きのサポートも表示環境任せのようです。均等割付や密着割付もできるのかできないのか。字下げや地付きといった青空文庫で実現されている要素はどう記述すればいいのだろう。規格を管理しているらしいIDPFを覗いてみてもちんぷんかんぷんです。フォント指定なんかはスタイルシートで使っちゃって良さそうな感じなんですがブロック要素はいいの?みたいな基本方針がよくわからない。

追記:IDPFのすごーくわかりにくいePub規格説明を日本語化している方がいました。

 現時点では青空文庫のタグの方がずうっと優秀な気がするのは気のせいでしょうか。
 少なくともソースの可読性は青空文庫の圧勝だと思うのです。ePubはhtmlの弱点をそのまま継承しているような。

 google書籍検索をうろうろしてみたのですがepub形式で登録されているデータになかなか遭遇しません。Herman MelvilleとかJules Verneはパブリックドメインだろうと思うのですが、画像データで表示されるものばかりです。ePubデータを選択的に表示させるのはどうすればいいのだろう。
 SONYの電子ブックストアはePub形式だそうでSONY READERで試してみたい、なんて思いました。

 世界標準として動き出しているので日本もこれが標準になる気がするのですが、I.E.みたいにとってつけの縦書き・ルビ対応ではなく日本の書籍文化がきっちり反映されるような規格になってくれるといいなぁ……。

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