『ラヴィン・ザ・キューブ』森深紅
ラヴィン・ザ・キューブ
森深紅
角川春樹事務所
2009.2.1
1470円
★★★☆☆
第9回小松左京賞受賞作品。二月に刊行されていたものですが遅ればせながら読了しました。
印象が薄かった。
第10回の日本SF新人賞の二作『黒十字サナトリウム』と『宇宙細胞』が共に印象の強い作品であったこともあってかアクの薄さみたいなものを感じました。
主人公・依奈はロボットメーカーに勤務する敏腕ビジネス・ウーマン。移動を命じられた先はヒューマノイドの開発チームであったのだが、そこでロボット開発に従事する人々は破天荒な規格外ればかり。新たに立ち上がった仕事もまた一風変わっていた……。
という話で名作『プロジェクト・ゼロ』を思い出しもする工業系の企業小説でした。陰謀劇もあったりするのですが、淡々と展開していて何を伝えたい物語であったのかピンと来なかった印象です。たぶん中心にあったのは割とハードな感じの「アンドロイド萌え」なのですが、私の方にうまく読み取る感性がなかったかも。
タイトルは投稿時の『エスバレー・ポワンソン・プティタ』の方が終盤の展開には沿っていたかも。
★ ★ ★
昨日、第10回小松左京賞の結果が発表され、該当作なし、のまま賞自体が休止となりました。残念。
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