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『愛百合女学院へようこそ』成田空子

愛百合女学院へようこそ
文:成田空子 絵:CHI-RAN
ティアラ文庫
2009.6.3
540円

★★★☆☆

 イラストのCHI-RANとの組み合わせは大正解!って感じのポップでライトなタッチのお話でした。

 夏前にティアラ文庫というレーベルが創刊になっていたのは知っていたのですが、巡回ルートの書店では扱いがなくAmazonの在庫も尽きていてそれっきりになっていたこのタイトル。『384,403km―あなたを月にさらったら』 (ティアラ文庫)を探しに行った先で発見。『あなたを月に~』は在庫なしでしたが。
 BL本の真っ只中ってのも正しい配架のような違うような。ティアラ文庫は小説版のTL物って感じです。2009年秋の時点では今回挙げた二冊のみ百合(GL)で他はノーマルカップリングみたい。

 版元がフランス書院ということでベッドシーンてんこ盛り、アブノーマル要素ぎっしりでページを開くのが恥ずかしい系なのかと思ったのですが(GLという点を除けば)比較的ノーマルな“らぶえち”とでも分類されそうな感じの柔らかなタッチのお話でした。いえ、ベッドシーンはそれなりに直截な表現山盛りですが。「キスだけじゃ終わらない。新・乙女系ノベル」というレーベルのコピー通り、女性向けのソフトタッチポルノという印象。読後感は「可愛い」です。ベッドシーン描写には一部男性向けポルノっぽい言葉のセンスも感じましたが百合好き的にも好感の持てる描写・雰囲気でした。面白かった。
 転校生のヒロインは少々おつむ軽めの擬音の多い甘えんぼ系キャラで、凛々しいけれどデレデレの生徒会長に見初められ……という女子校物。イメージ的にはアニメの「ストパニ」に近いかな。登場人物はメインの二人以外は完全に脇役でコンパクトなお話です。

 ポルノ小説ではベッドシーンの頻度やアブノーマル度にノルマ?があるようで、ストーリーそっちのけで濡れ場展開が忙しなく連続する、というのがありがちですが、新レーベルのティアラ文庫は(店頭で他の本もチラ見した感じも含め)ベッドシーン描写に制限のない少女向けライトノベルといった印象でした。えち描写頻度は『愛百合~』では寸止め+しっかり各一回、くらいの感じでお話的に無理なく明るく楽しく軽く読めるバランスと思います。

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