« 『『少女の友』とその時代』遠藤寛子 | トップページ | PCと携帯の利用比率 »

『コミック百合姫』Vol.18 2009 AUTUMN

TAKANOでお茶コミック百合姫 2009年 12月号
一迅社
2009.10.18
880円

★★★★☆

 前号は「BL誌みたい」と思った紫でしたが今号はパステルトーンとピンク。個別に短く感想でも。

表紙
恋愛遺伝子XXより。綴じ込みのポストカードが表紙のイラストで題字etcの消えたプレーンなものだったんだけど、文字に隠れていたち……乳っ。影木×蔵王の描く乳は妙に視線をぎんっと引きつける感じでインパクト。
タカハシマコ「死刑台のエレベーターガール」
ぉぉ。タカハシマコの巻頭カラー。初だとか。あれ? これまでカラーなかった? お話的には表現するのが難しい微妙な気持ちを描きに来ていて「コレダ!」という人と「よーわからん」という人の真っ二つに別れそう。緑が「好き」と言わせたのは意図的なのかな、とも思ったけど計算打算なしで自然に打算尽くみたいに動ける子、いる気もする。
青木光恵「バンカラ乙女学園」
スカートの長いバンカラのツッパリが懐かしい「おまんら、ゆるさんぜよ」な感じ。百合姫が対象年齢の少女たちに「スケバン」は通じるのだろうか。
影木&蔵王「恋愛遺伝子XX」
長期連載の構え? 乳ほっぽり出しカットはページを開いたときに「わわっ」と視線を引きます。小ネタでまとめた回な感じで「エトワール」なるキーワードが登場。
かずまこを「さよならフォークロア」
ぉ? なんか破滅にまっしぐらなストーリーの気がする。いいのかこれで、とハラハラ。「不惑を誓います」のフレーズもいい感じに馴染んできた。
竹宮ジン「Delicious Time」
パン屋の恋話。駄洒落好きからするとなぞの子はクロワさんとか呼びたくなってしまいました。すみません。
三浦しをん「百合の花粉は落ちにくい」
中村明日美子のコミックを二篇取り上げていた。「二週間のアバンチュール」は読んだことがあったぞ。もう一方も読んでみたくなった。探してこよう。
藤生「パーラー百合姫本店」
編集いじりというのは百合姫では新しい感じ。面白っ。藤生フィルターGJ! フィルターじゃなくてマジネタだったらぱいん氏はこれ以上にないってくらいの適材編集者かも。
四ツ原フリコ「六畳半、周回遅れ」
引きこもり?の主人公と一回り年下の高校生とのカップルの話。これまでの作風とはがらりと印象を変えてきた感じ。もう少し華のあるキャラ設定が好みかな。ひきこもりの主人公がちょっと荒廃してそうでコワイ。
南国ばなな「ときめき☆もののけ女学園」
今号こそは山場のはず、と思ったら、おおお? まさかの新展開。先が読めないゾ。
百合姫コミック大賞発表
白金、蒼玉、紫水晶と賞のランク分けは乙女チックでいいかも。けどパッと見どれが最優秀賞なのか混乱したり。白金賞は単行本発行まで確約ってこれは本当にごくごく稀にしか出さなさそう。半年に一度ずつ募集するペースなのか。コバルト的?
田仲みのる「チチンプイプイ」
百合姫コミック大賞蒼玉賞。若作り若返りの魔法を使ったバーのママと高校生?のヒロインのデート話。
森島明子「レンアイ女子課」
森島明子絶好調。仕事量相当多そうなのに絵も話もこのクォリティ。引き出しの多い人なのかな。カラー扉からするとハニー・マスタードの二人も今後登場しそう。
なもり「ゆりゆり」
百合姫とSのなもり率がすごいことに。Sの方の「ゆるゆり」はギャグ仕立てですがこちらはシリアス路線のよう。でもヒロインの行動や発想がやっぱりギャグ仕立て。お話的には「ゆるゆり」より「ゆりゆり」のが好みなのですが、この人は「ゆるゆり」の方が弾けてて合ってるかな。
城之内寧々「アップル・デイ・ドリーム」
ついに最終回。淡々とした感じの最終回でした。単行本化もケータイコミックの後に控えているようです。
東雲水生「縛る糸」
お話的には面白かった。けどオチが少し引っかかるー。
さわななお「ソルフェージュ」
音ゲーのコミカライズで原作付きのせいかなぞっちゃってる感が。素材自体が料理が難しそうな感じも。
武若丸「紅蓮記」
カラー3pを含めて65ページも。ネタが色々明かされていよいよ最終局面? 引きの絵のクレオがフジコちゃん勝りで「大振り」のモモ監と乳対決して欲しいとか思ってしまいました。前回に続いて今号でも不幸一直線に展開しそうな予感を漂わせていましたが、どうなる次回!
特集「泣ける百合」
漫画、映像、小説からの百合物紹介コーナー。
袴田めら「それが君になる」
かつての想い人と目の前の高校生を重ねてしまう主人公。これは初恋を引きずってる人にはぐっと来るのでは。
乙ひより「水色シネマ」
波乱の予感で「つづく」。連載と言うこともあって割と淡々。――と思ったらモノローグがかなり抜けていたようです。一迅社公式に告知がありますが次号が出たら見えなくなりそうなので訂正記事全文引用。
コミック百合姫Vol.18「水色シネマ」chapter.4
誤植についてのお詫び

いつもコミック百合姫をお買い上げいただき誠にありがとうございます。
2009年10月18日発売の「コミック百合姫Vol.18」掲載「水色シネマ」chapter.4(著・乙ひより)に誤りがございました。
ここに訂正させていただきますと共に、読者・関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

P457
1コマ目 モノローグが抜けております。
唯 多恵は女同士で
  付き合うとか……

唯 頭にないんだ 
  ろうなぁー…

P458
6コマ目 モノローグが抜けております。
唯 瑞季の時は…

唯 あっちから
  告白してきたんだっけ…

P459
1コマ目 モノローグが抜けております。
唯 それでふられるとか…

唯 私かわいそう
  すぎるな…

一迅社web|コミック百合姫Vol.18訂正告知より

マシュー正木「ヒメコイ」
このシリーズ、掲載が始まったときは「この絵柄で?」と違和感を覚えたけれど馴染んでみると楽しい。効果音が「オパアアアア」ってぎりぎり。
藤たまき「赤目エイドリアン」
ソフトコアポルノのスチル撮影現場っぽい舞台。藤たまきの作品はどこか映像的でこんな感じのヨーロッパ映画がありそうなトーン。白黒ページだったけれどほんのりと色の付いたイメージが湧きました。裸を描いていても尖った感じにならないのはこの作者ならではかな。
新刊予告
ケータイ漫画からは続編一冊と新タイトルが五冊も。
三国ハヂメ『極上ドロップス3』
リカチ『空色ガールフレンド』
所ケメコ『ハニー★カルテット』 感想記事
城之内寧々『乙女戦士ラブリー5』 感想記事
天野しゅにんた『湯けむり♨サンクチュアリ』 感想記事
横田くみ『恋極ベイビィ』
WildroseのVol.4も12/18に発売日が決まったようです。

 記事を公開してから気づいたのですが公式発売日は18日だったみたいです。早売り書店ではない普通の本屋でもすでに並んでいたのでうっかりフライング感想してしまいました。ごめんなさい。

|

« 『『少女の友』とその時代』遠藤寛子 | トップページ | PCと携帯の利用比率 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。