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深海探査と微化石の世界

深海探査と微化石の世界

 国立科学博物館の小企画展「深海探査と微化石の世界」を見てきました。HMSチャレンジャー号――1872年に行われた世界周航の探検調査の紹介の比重が高めで、あとは微化石写真のパネル、模型、実物、現代版HKSチャレンジャーの「ちきゅう」の活動が紹介されていました。展示は日本館1Fの企画展スペース(大型イベントとは違う通常の展示室一部屋分の小規模展示)でした。
 会期は二月いっぱい。

有孔虫実物 右下の丸いガラス部分は虫眼鏡になっていて向う側に有孔虫のサンプルがある パネル展示が主流になります。実物もありましたが何せ微化石。肉眼で見てもただの砂にしか見えません。放散虫、珪藻、ハプト藻、有孔虫の中で一番大きな有孔虫にしてもせいぜい「巻き貝っぽいシルエット?」というのがわかる程度。壁に飾られたパネル写真も電子顕微鏡写真がメインです。

 パネル展示はあまり関心を引かないものですが、この微化石展示では頑張っていました。電子顕微鏡で撮影した立体写真(赤青フィルタを使うアナグリフ)は良い案であったと思います。立体写真自体の面白さと大きなパネルの組み合わせナイス。赤青フィルタも眼鏡ではなく、手前に赤・青のセロファンを貼ったアクリル板を設置するというローテクながら実用的。フレネルレンズを使った小さめ立体写真もありました。
 プレパラートに固定された顕微鏡展示は“本物”という意味では一番興味を引いたのですが、双眼顕微鏡は目の間隔がぴったり一致せずに像が両目で重ならなかったのが残念。観客に顕微鏡をいじらせるわけにもいかないのでしょうが……いじり回したい~。

 地球深部調査船「ちきゅう」のボーリングサンプルも展示されていました。これは解説ビデオと合わせて眺めると面白いです。見た目はただの半割の丸棒岩石で地味ですが。サンプルは溶岩岩盤だった気がするのですが、微化石展に合わせて大洋底の堆積層だともっと良かった気も。

 そうそう。会場で配布されているパンフレットは超オススメです。16ページ程度の物ですが展示の内容がぎっしり詰め込んである良い資料でした。

昭仁天皇のハゼ展示

 微化石展示の入口ロビーではハゼの小展示も行われていました。明仁天皇の記載した種が目玉であったようです。

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