Mac mini その5・Macのいいトコ
“Mac信者”なんて呼び方があるらしい。Macの熱狂的なファンのことだ。デザインの良さを主張しApple製品ならなんでも褒めずにはいられず、度を過ごして鬱陶しがられたりする、らしい。
Mac miniを買って一月。“信者”の気持ちがちょっとだけわかった気がする。
Macを使って良かったと思わされたのは純正のアプリの楽しさ。標準装備のアプリはけっして多機能じゃないけれど、使い勝手が練られていて新しいことを始めるのが楽しいのだ。できることは限られていてとてもシンプル。たとえば動画。「画面操作録画ムービーとかどうやって作るんだろ。QuickTimeでキャプチャしてiMovieで編集すればいいんだ。へー。あ、Youtubeへの公開までiMovieで面倒見てくれるんだ。おもろい!」。こんな感じ。自家撮影のムービーも同じようにあっさりいじれてしまう。画面のクリップや切った貼ったが楽しい。画質の調節とかはまだよくわからないけど、とりあえずできた。
Windowsでだって同じことはできるし、もっと細かく手を入れられもするのだけれどとりあえず見られるムービーを作るだけで一苦労で楽しくなる前に嫌になってしまったことを思い出した。iMovieはそういう躓きやすいところを乗り越えさせてくれる作りらしい。
といってもパソコン初心者が何でも出来ちゃうわけじゃない。どんな操作をするとどうなるのか、というのが予想しやすいので新しい何かに取り組むことが億劫じゃなくなるだけ。でも、これがパソコンの作業を「うんざり」から「わくわく」に変えてくれる気がする。メールや写真アルバム、音楽、予定表のような他の機能でもそれは同じでWindowsやLinuxになかった“使い勝手”をデザインする文化がMacにはあるようだ。
お洒落なデザイン? 確かにお洒落な部屋に置いても見劣りしないだろうけれど、それだけ。パソコンそのものがお洒落で部屋を洗練してくれるようなものじゃない。使ってる人がお洒落になるわけでもない。Mac OS XだってOS自体は特別なところはほとんどない。控えめで裏方。スマートなアプリを実現するための仕掛けを持っているくらい。クールなのは純正アプリを使ったときの楽しさに尽きると思う。
逆にいえば純正以外のアプリはWindowsアプリと大差がなかったりする。一応、Macアプリらしく見た目も操作感も統一されてはいるけれど、試してみた限りのオンラインソフトはWindowsとあまり違わない。見た目で凝ったものはあるけど、Apple純正アプリのような使い勝手そのものをデザインしたアプリにはまだ遭遇できていない。
Macの魔法が及ぶ範囲は狭いようだ。
でも、魔法圏内ではMacは理想に近いパーソナルコンピュータだと思う。出来の良い万年筆や手帳に似た文房具の一種なのだな、とこの一月でMacのイメージを更新した。
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