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『ひらり、』Vol.1

ひらり、
新書館
998円
2010.4.24

★★★☆☆

 「ピュア百合アンソロジー」がテーマであるらしい『ひらり、』。アンソロ形式ではありますが、どうやら『つぼみ』『comicリリィ』『百合少女』と同様、シリーズ化前提の刊行物であるようです。帯の惹句は「胸が切なくなるような女の子同士の友情とちょっぴり恋の物語12篇――。」。
 公式サイトには試し読みページもありました。
 内容も帯のコピー通り。路線的にはかつての『百合姉妹』『百合姫』に近く、ベッドシーンはなし。友情とちょっぴり恋、でした。小説も一本ありました。

 これはイイ。

 表紙の絵柄からして好みです。巻頭の水彩調イラストも良かった。掲載されていた作品もヒット率六〜七割くらいの感じで初購入モノとしてはアタリ。雨隠ギド、仙石寛子、前田ともが特に好みでした。
 次号予告を見ると「桑田乃梨子/高嶋ひろみ/湖西晶/ささだあすか/朝丘みなぎ/andmore」となっていて続投がすでに決まっている人はいないみたい? 毎号雰囲気を変えていく方針なのかな。

 『comicリリィ』や『百合少女』は同人っぽい雰囲気の作品中心でしたがこちらの『ひらり、』は商業誌的(商業誌だけど)な完成度でした。ストーリー的に「それちょっとちぐはぐじゃない?」という作品もあって多少の不安定さも感じます。が、「ピュア百合」という方針はストライク。「イケる!」という手応えがありました。
 印象の良い作品が多かったもののインパクトとしては弱めだったかな。『つぼみ』の創刊のときにも思いましたが一作でも「この本と心中する!」くらいにがつーんと来る作品が欲しかった。『百合姉妹』創刊のときには確かにそれがありました。百合漫画に慣れてこちらの感性が麻痺しかけているだけなのかな。

 ともかく、次号も購入決定。次は八月末だそうです。『つぼみ』も号を重ねて馴染んだように『ひらり、』もブラッシュアップされ、読み手としてのこちらの感性も変わっていくことでしょう。楽しみ。

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