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『エナ』磯本つよし

エナ
磯本つよし
双葉社アクションコミックス
2009.6.12
650円

★★★☆☆

 百合漫画誌『つぼみ』掲載の二輪モノで知った磯本つよしのSFアクション漫画。サイボーグであるタフな女の子が暴れ回る痛快アクション。『攻殻機動隊』『鉄腕バーディー』、あるいはもっと古い例を引くならば高橋留美子の『ダストスパート』のヒロインや平井和正の「ウルフガイ」シリーズに登場した虎四フースーのような怪力少女イメージのお話。

 バウンティハンターのような探偵のようななんでも屋のような、どことなくお気楽な雰囲気の闇稼業で働く主人公・エナ。拳銃の弾にはびくともしない頑丈な体で犯罪者をぶっ飛ばし、上前をはねる。のだけれど基本どじっ子で任務達成率は低そう。そんなエナがなぜか賞金首になって追われる立場となり――。という近未来アクション。

 近未来とはいっても登場する乗り物がノスタルジックで60〜70年代テイスト。街の景色は現代とサイバーパンク的近未来のミックスくらいの感じでとても緻密に描き込まれています。すっきりとした線のキャラ。よく練られた造形のメカ。一発で理解できるわかりやすい画面構成と演出。間違いなく実力派。
 ちょっとだけ惜しいのは設定やストーリーの部分かな。マイクロマシンベースのサイボーグも怪力娘もフィクションでは定番となり、改造元の研究施設と対立するというお話は少々物足りなく思いました。

 メカ描写に関しては非常に好みのセンスなので登場するオートバイ的にも超ストライクっぽい『東京奥多摩のヒカリ』も探して読んでみようと思います。店頭在庫探しの旅になるのかな。

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