『GAME OVER』水谷フーカ
GAME OVER
水谷フーカ
白泉社
2010.7.31
780円
★★★★☆
百合誌『つぼみ』で印象の良かった水谷フーカの『楽園』掲載作を集めた単行本。恋愛物。念のため?ですが、男女カプの。
感想。てれてれ。
なんじゃそりゃって感じですが、表題作「GAME OVER」のこっぱずかしさが「てれてれ」なのでした。
連作短編「GAME OVER」は全体の六割程度のボリュームで五話。読み切りの短編が三話。描きおろしは「GAME OVER」の結末編。白泉社の『楽園』発単行本はあまり出回っていないのか、店頭だとなかなか見つかりませんでした。
表紙は布目っぽい表面仕上げで題字は金箔。表紙絵と合わせて確かにウェディングイメージの装丁です。カバー下にもカラーでイラストが印刷されていたり。同レーベルの『Girlish Sweet』もそうでした。
表題作「GAME OVER」はバスの中での出会いから始まる歳の差ラブストーリー。「誘拐のすすめ」は家族愛テーマ、「けだまのケーキ」はがさつ女子×弱気男子のケーキ店経営話、「きのう けんかをしました」はごくごく短い女子の友情ワンシーン。「誘拐のすすめ」と「けだまのケーキ」はギャグよりのコミカルタッチでした。親しみやすいプレーンな絵柄とほのぼのシーンのうまさが合わさって強烈なアクはないのに個性が滲み出ている印象。
この作者、挑戦者的キャラのヒロイン得意な気がします。「GAME OVER」のヒロインも『つぼみ』Vol.2の「オオカミの憂鬱」のエレベーターガールもおもしろチャレンジャーキャラでした。
恋愛漫画もいいけどテーマや蘊蓄いっぱいの長編ストーリー漫画描かないかな。
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