『世界恐竜発見史』ダレン・ネイシュ
世界恐竜発見史―恐竜像の変遷そして最前線
著:ダレン・ネイシュ
監訳:伊藤恵夫
ネコパブリッシング
2010.8.31
4980円
★★★☆☆
大型のずっしり来る本です。図鑑サイズのハードカバー。厚みが25mm。192ページ。フルカラー。イラストと写真を満載して目で見ても楽しい本。文章の方はちょっと翻訳調の堅い部分もありますが、用語にはルビや図解もつくのでマニアでなくても楽しめると思います。小学生くらいの読者にはちょっと厳しそうです。
最近は恐竜研究史を振り返る類の本が多いような気がするのですが、大ヒット本でもあったのかな?
この図鑑は19世紀から現代までの恐竜発見の歴史を追いながら恐竜像の変遷も追っていきます。バックランドのメガロサウルス、マンテルのイグアノドンあたりは恐竜発見の最初期でも有名な例ですし、その当時のトカゲのような復元画も見覚えのあるものですが、ヒラエオサウルスと聞いても「どんなのだっけ?」とぴんとこなかったりします。ケティオサウルスというのも名前を見ても姿が思い浮かびませんでした。そんな恐竜研究の初期に見つけられていながら、今ではあまりメディアに載らなくなってしまった恐竜たちがぞろぞろ。
20世紀に入ると恐竜たちの名前に見覚えのあるものが増えてきます。ティランノサウルス、アンキロサウルス、スティラコサウルス、etc。馴染みのある顔ぶれであれば理解もしやすくなるということで、この本は一般的な読者には前半よりも後半の方が読みやすくなると思います。解説はあっさりの部分とマニアックな部分が混在している感じ。
値段の張る本ですし、ビジュアル要素が強く訴求するので店頭で実本を手に取ってみるのがオススメです。
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