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『いばらの泪』リカチ

いばらの泪
リカチ
一迅社IDコミックス 百合姫コミックス
2011.1.18
900円

★★★★☆

 楽しみにしていたリカチの百合コミック描きおろし新作。
 ヒロインの名前で「ん?」と引っかかり、しばらく読み進めたところで「あ」と気がつきました。これは前作『空色ガールフレンド』を読んでおくと、いっそう楽しめる話ではないかと思います。

 主人公は大学生になったばかりの真希。王子様のような女の子が初恋で、以来、好きになるのは女の子ばかり。でも“いばら姫”の真希はどうしても大切なところで一歩を踏み出せずに待ち続けては眠り続けるばかりなのでした。
 ああ、やっぱりそうだよなー。男女の恋愛でも積極的になれずに待ってしまう人は多いと思うけど、同性同士だともっと壁が増えちゃうもんなー。としみじみ来るような切ない設定。『空色ガールフレンド』ではヒロミもジュリもそれぞれ特別な王子様とお姫様だったけれど、今回の真希はお姫様でも何でもない子。目覚めない“いばら姫”になってしまうよなぁ、と溜息をついたのでした。それ゛もいつまでも眠り続けてはいられないいばら姫。う〜ん。これ以上の解説は野暮ですね。続きは単行本でどうぞ。

 前回の『空色ガールフレンド』では表紙がざらざらした感じの画用紙風で絵柄ととても合っている気がしたのですが、今回はコートのないさらりした感じの風合い。『空色〜』とお揃いの紙が良かったな〜などとちょっと思ったのでした。刷り込みというやつ?

 百合姫に掲載される作家さんの中でタアモとリカチは少し独特の“外”の文化の香りがするのですが私にはどストライクだったりします。なんでだろう。

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