『きのこ文学大全』飯沢耕太郎
きのこ文学大全
飯沢耕太郎
平凡社新書
2008.12.15
924円
★★★★☆
面白い、面白かった。とても。
きのこの登場する本を、きのこの話題とともに紹介する本。
表紙の袖に「きのこ愛の世界を明かす人文系菌類学入門」とありますが、確かにそんな感じでした。
創元SF短編賞向けの投稿原稿で菌類の登場する話を書いたのですが、その原稿を読んでチェックして下さった方が『きのこ文学名作選』
という面白いきのこアンソロ本あるよ、と教えてくださいました。その本を探していて同じ作者の、ちょっとだけ違うタイトルの本を見つけたので先に読んでみたのでした。『きのこ文学大全』はエッセイ的なきのこ文学の紹介本で、『きのこ文学名作選』は『〜大全』の中で取り上げた作品を編んだアンソロジーという位置づけ。
今回読んだ『〜大全』ではきのこに関わる人々のヘンテコな行動が印象的でした。チャイコフスキーもレーニンもおとぎ話の主人公たちも、きのこを見つけると大人げなく「俺んだ!」と独り占めしようとするのです。紹介したりもしたり120項目以上。きのこに取り憑かれた人々というのは思ったよりも多いのだと知りました。きっと作者もマタンゴに汚染された人なのでしょう。すごいなぁ、という感想以外に出てきません。あふれるきのこ愛。
この本はぱらぱらと気が向いたときに摘み読みするのが良いかもしれません。夢中で一気に読み進めたのですがあまりにきのこづくしでくらくらしました。
次は『きのこ文学名作選』を読んでみよう。
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