コミPo!で感想・映画『エンジェル・ウォーズ』
映画『エンジェル・ウォーズ』を見てきました。字幕版です。
ネタバレなしの軽い感想行きます。
テレビCMや公式サイトの予告編ではアクション的なシーンを中心にアピールされている通り、売りはアクションシーン。押井守的な日本アニメのノリで、女の子が刀を振り回し、銃を撃ちまくります。激しくぶっとばされてもダイジョーブ。トム&ジェリーというかドラゴンボールというか、瓦礫をえぐりながらぶっ飛んでも平然と立ち上がり、戯画化されたサムライやナチス兵士をばったばったと倒します。アクションパートだけでも見る価値があるはず。
時代設定はちょっと古め。1950〜60年代くらい? 遺産相続に絡んで継父に精神病院に押し込まれてしまったヒロインは、病院での過酷な状況に抗います。抜け出すための策と辛い現実からの離脱がアクションパートとなるわけです。ロボトミー手術やショウクラブといった時代がかった設定がてんこ盛りで、記号的な要素で画面にぐいぐい引き込んでいくあたりもアニメ的。ストーリーは「感動の物語」的なオチをつけてはありましたが『300』同様インパクトのある映像を味わうという楽しみ方でOKだと思ったのでした。
主役は『ゴーストシップ』で幻想的な少女を演じたエミリー・ブラウニング。『ゴーストシップ』では儚い印象でしたが今回はタフな感じの女性に育っていました。医師役のブルー——オスカー・アイザックはジゴロ的な役割も振られているのですがこれが笑っちゃうくらい似合っていました。
アメリカンポップスの音楽の魅力と日本アニメ的演出、ゴシックホラー的こてこて設定がミックスされていて、ヘンテコな愛すべき作品に仕上がっていると思います。
蛇足。
原題は“Sucker Punch”。“sucker”や“punch”といった単語を調べてみたものの、意味の多い単語でニュアンスが掴みづらいです。“sucker”はちゅうちゅう吸うイメージでタイトルはフルーツポンチ的な語感なのかな? punchはヒンディ語で“5”を意味するそうなので少女5人組の戦隊モノ——日本のオタク文化的にはゴレンジャーの少女版みたいなものかもしれない、と思ったのでした。“Babydoll”や“Blondie”といった少女たちの呼び名からするとプレイメイトたちがガンアクションを見せる『グラマー・エンジェル危機一髪』のような映画たちの末裔でもあるのかもしれません。
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