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『ひらり、 vol.4』


百合漫画誌の感想漫画サムネイル

 ひらり、 vol.4
新書館
2011.4.23
★★★★☆

 表紙イラストの担当が変わり「ひらり、」に併せて「HIRARI,」のアルファベット表記が目立つようになってデザイン一新。四コマ漫画も増え、「第一回ひらり、GLコミック大賞」の受賞作も載ってらしくなってきました。全体の印象もまとまりが出てきた印象です。
 “少女漫画風”が『百合姫』や『つぼみ』との違いなのですが少女漫画もジャンルは細分化されているわけで……う〜ん『××』の百合版、というぴったりの例えが見つからない。純情路線BL漫画の百合版みたいな?

 今回も前回よりパワーアップしていてとても読み応えがありました。


表紙 西炯子

 ベテラン・西炯子の絵は新鮮! 百合姫に載ったピンナップも良かったよなー。


扉イラスト 優

 夕陽の逆光素敵だな。


自転車と加瀬さん。 高嶋ひろみ

 おや? あれ? これはvol.2の「あさがおと加瀬さん。」の続編だ。今回もまた嬉し恥ずかし青春まっただ中。しかも予想外な台詞が。


さろめりっく 袴田めら

 今回は心に痛い話。こういうのは読むのが辛い。でも中学生くらいで読んだらだだ泣きしちゃうかも。どうなんだろう。今の現役中学生もいじめというのはやはりよくあることなのだろうか。


ほかほかたんぽぽ組 南国ばなな

 幼稚園モノです。なんて不健全な園児たちなんだ……。


永遠に少女 天隠ギド

 よくある幽霊ものか〜と思って読みはじめたのですが、完璧でした。あるべき場所に全部のピースが吸い寄せられていくようにきっちりと話が収まります。なんだろうこの快感。すごい。面白い。しかもとても素敵な話。オチもいい。


私の嫌いなおともだち 雁須磨子

 百合漫画では共感のお話が多いのだけれど、絶妙なディスコミュニケート感。『どいつもこいつも』で初めて知った雁須磨子らしさは百合誌でも健在。


あなたと彩る世界の色 カザマアヤミ

 百合モノでは彼氏のいる設定は割と忌避されそうな印象なのですが意外とあるようです。この話もそう。そういえば小説『丘の家のミッキー』シリーズも主人公にはボーイフレンドができるものの百合好きに愛された名作ですね。


バニー♡カフェ 仙石寛子

 バニーさんのいるカフェよりリアルうさぎのいるカフェに行ってみたい。


シスターストロベリー 橋本みつる

 独特の絵柄でインパクトある橋本みつる。今回はvol.3の続編。寮の同室者から寄せられる恋愛感情。深みにはまる前にと離れることにした二人なのだけれど、友人としての距離もまた失うのは辛く……。GJ! GJ! GJ!


青味泥 藤たまき

 アオミドロの漢字表記が“青味泥”とは知りませんでした。詩のようなモノローグを中心に紡がれる8ページ。藤たまきの絵柄ともよく調和して、「青味泥」の語感や漢字表記の違和感がアクセントになって、面白い。


おとなりのせんぱい ささだあすか

 うんうん。おっちょこちょいの人を眺めるのって楽しい。


ラプンツェル witch meets knight 犬丸

空気を読まない変わり者の内藤さんと口数が少ない唯地さん。周囲が勝手に作り上げていくイメージとは裏腹な内面。髪の毛に触れるのってちょっと淫靡な空気があっていいな。


Droppin Drops 文:一穂ミチ イラスト:雨

 『ひらり、』に掲載される百合小説は割と独特の方向性のものが多くて私には新鮮。毎回違う作家さんなのだけれど、少し尖った雰囲気で同じ誌面に掲載されている漫画たちとは異質な感じがする。心にざっくり来る感じ? この路線は貴重。小説コーナーはこれからも続けていって欲しいなぁ。


みみみこ 遠田志帆

 vol.1〜3までの表紙を担当していた遠田志帆が漫画を描いてる! ひゃー。カラーイラストは神秘性を感じさせるタッチですが漫画はポップなノリで低頭身キャラが飛び回る楽しいもの。いいもの見ました。


下着屋の娘 大沢あまね

 これは良い下着漫画。ストーリー四コマ。vol.3の「図書室の姫ちゃん」の脇役が今回の主人公。


under one roof 藤生

 作者ブログによるとvol.3掲載の「under one roof」は「短い!」という声がたくさん寄せられたとか。無事に続いて第二話。うわー。うまそう、おいしそう、食べたい、飲みたい。前回も食べ物がおいしそうに登場していましたがどうやら「餌付け百合」というジャンルの開拓をしているのかもしれません。


箱庭コスモス 桑田乃梨子

 ふしぎ研究会=ふしけんは今回もあまりふしぎを研究できずにのほほん空間を展開します。


ピンクラッシュ TONO

 最初はサナとマールがらぶらぶになるまでを描くのかな、と思ったのだけどサナのお気に入り標本箱になりつつある予感も。新キャラの「そういう子いるいる」っぷりも素敵。マール可愛い。


きれいなあのこ 吉田丸悠

 第1回ひらり、GLコミック大賞グランプリ受賞作品だそうです。ぉぉぉ。これ新人? 『トトロ』のメイ並に表情豊かなキャラにがっちりコントラストの効いた絵柄とお話。起承転結の「転」も予想していなかったところにガツンと来ました。大賞もなっとくの32ページ。


 スカーレット・ベリ子と前田ともも読みたかったな。
 次号予告にある木原音瀬はBL小説の人だ。やったー。小説コーナー続くっぽい。

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