『初恋テクトニクス』かもたま
初恋テクトニクス
かもたま
一迅社IDC百合姫コミックス
2011.7.16
★★★★☆
『コミック百合姫』9月号掲載のこの作者の短編の印象が良かったので買ってみました。百合姫9月号と同日発売だったものの事前に情報がまったくなく、発売日にはこの『初恋テクトニクス』はノーチェックのまま本屋を出てしまいました。
せっかく新刊を出すのに、どこにも予告がないって商売っ気なさそう。『百合姫』を読んで、作者名で検索してTwitterアカウントやサイトを見つけた先で、作者本人による発売告知を発見しました。
『初恋テクトニクス』に収録されているのは同人作品からの再録だそうです。『百合姫』9月号掲載冊は含まれておらず、私はすべて初見でした。読んでみると、
- 絵柄が同人風
- 女の子が雄々しい言葉遣い
というのが第一印象でした。白/黒のコントラストがはっきりした力強い絵柄。『百合姫』9月号掲載作よりも主線のメリハリが強調されていて好みが別れそう。ストーリー的にも雰囲気的にも『百合姫』に載っていた話と同系統の話が集められていたので、雑誌での話が気に入った人はこの『初恋テクトニクス』も楽しめるはず。
キャラの雄々しい言葉遣いは昔のキミボク言葉とも違う感じでハカセキャラ的なもの。「いいか? 私はキミが好きだ。それで十分だろう?」みたいな芝居がかった言い回しのキャラが多いです。そういうノリが好きな人にはツボ! 引用したセリフとともに「あと引くお味、独特の台詞と世界観 かもたまワールドへヨウコソ」という帯の言葉に象徴されている気がします。
全五編の短編集。恋を確かめるお試しのキス、女の子好き同盟を結んでみた二人組、政略結婚に反発するお嬢様、バレンタインイベント、ドジっ娘。少し風変わりだけど、でも、普通の学生生活と少女同士の恋。『百合姫』や『ひらり、』で見かけるようなふわふわの少女漫画っぽさはないですが、なんともいえないアクの強さがありました。
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