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『つづきはまた明日3』紺野キタ

つづきはまた明日3
紺野キタ
幻冬社バーズコミックスガールズコレクション
2011.9.27
★★★★☆

 少し懐かしい感じをさせつつ現代でもある家族の日常を描いたシリーズ三冊目。母親のいない父・兄・妹の三人家族に叔母や隣家の家族が絡むしっとりほのぼのストーリー。何気ない毎日を大切に過ごすことを知っている大人びた小学生・はるかとその妹・さやが主人公。
 紺野キタのお話は『ひみつの階段』シリーズでもそうでしたが、昔のお話ではないのになぜかどこかしら懐かしいのです。『ひみつの階段』でも『つづきはまた明日』でも過ぎし日を振り返る視点を感じるから、かな。
 昔を振り返るだけでなくて、積み重ねた過去を元に次の世代を守り、バトンを渡そうという未来への前向きな希望/期待も感じられたりして懐旧だけではないのも好きなところ。
 それにしても子供って面白い。1巻からそうだけど清は膝を打つような発想を見せくれるし、スーパー小学生の杳にしても「そんなこともあったかも」と自分の過去を振り返りたくなったりして。ん〜、いや、こうだったら良かったな、かな。私の子供時代はもっと情けない記憶で山盛りでした。

 三巻目ということもあって読者も既刊を読んでいる層でしょう。紹介も今更ですが、紺野キタの漫画独特の、ページから漂うしっとりした質感、空気感は健在。紺野キタ未体験の方はぜひ1巻を手に取ってみて欲しいです。

 来月は『カナシカナシカ』も出るようです。楽しみ。

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