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漫画作成ソフト・画男を試しました

 画男(GAMAN)を試してみました。コミPo!的な3Dフィギュアで漫画を作成するツールです。

 まず最初にお断り。
 画男は個人で作成されていると思われるソフトで、今回試したのはテストバージョンです。商業製品であるコミPo!と同列には評価していません。

 今回は“起動テスト”への参加ということでまずは作者指定のテストデータを表示してみました。環境によっては起動しないこともあるそうで、作者さんはそのあたりの情報を欲しているようです。

Gaman_test

 スクリーンショットを撮ってテストをクリアし、「何か作ってみよう」と思ったものの触り方がわからず戸惑って週末まで持ち越し。サイトのチュートリアルに沿って作業をしてはじめて手順が理解できました。
 どことなく業務アプリ風です。「汎用データ形式で関節がフル可動するフィギュアで漫画作成」という仕様を純粋に実現した印象で、内部構造の要求するおまじないのような作業が必要だったりします。
 チュートリアルに従ってできたのが下の画面。

Gaman002

 今回のフィギュアはMikuMikuDance用に作られたキャラデータですね。オリジナルのフィギュアデータもありましたが今回はウケの良さそうな「けいおん」キャラで試してみました。.x形式をサポートしていてMMD用に公開されたものが流用できるようです。フィギュアの関節はフル可動で自在なポーズを取らせることができます。上のスクリーンショットは「ばいばい」のプリセットポーズを試してみたもの。媚びが足りないかな、ということで肩、足の付け根、膝を微調整したのが左下。変形コマやレンダーなど試してみたのが右下。

Gaman003Gamantest_2

 手足、首、胴から髪の毛まで、動きそうな部分はおよそすべて動かせます。画面右側のリストから項目を指定し、右上のメタセコ風3Dハンドルで操作します。キャラを直接マウスポインタで操作するタイプではありませんが、フィギュアの関節数からすると画面上のフィギュアをつついて動かすのは現実的ではなくこれで正解かも。IKは切ってあるっぽいです。
 直接画面をドラッグ操作するのはコマやマンプ、効果線程度。慣れてしまえばどうということはなさそうですが、とっつきは悪い部類かな。

美点

  • 汎用データ形式
  • 関節がフル可動
  • モノクロフィルタがけっこうイイ

難点

  • アンチエイリアスなど表示品質面
  • 操作のわかりにくさ

 個人がこの規模の仕様を形にできただけでも賞賛に値するはず。「すごい」と思いました。
 操作に関しては慣れでカバーできそうですが、ドットのギザギザを目立たせないよう進化するといいな。

★ ★ ★

 画男と前後してセルシスのCLIP PAINT Labも試してみました。現在テストバージョンが無料公開されています。こちらは3D関連の仕様は画男と近く、加えて2Dのラスタ描画ができるリッチな仕様。さらにWin&Mac両対応。UIは画面ぐりぐり系で難解さはないのですが、フル可動する関節を直接ポイント操作するのは厳しいものがあります。ラスタ・3Dを使い分ける仕様を飲み込むのにもそれなりに時間がかかりそう。まだテスト段階ではありますが機能面ではとてもリッチですしCLIPのデータライブラリと連携するために素材環境も充実しそう。企業製品のテスト版ということで見た目も隙がありません。作画への拘りが強くカスタマイズ性や自由度を重視する人はこれに期待してみても良いのかも。
 コミPo!は「コミックシーケンサー」と銘打っている通りですが、こちらは「手描きを3DCGで代替」する方向性を予感させます。

Clip_paint_lab


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