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AERIAL7 TANK 導入

 Jack Daniel's 缶ハイボールの景品としてやってきたAERIAL7 TANKの実使用レビューです。

 缶ハイボールを飲んで、抽選をして、当たってからAERIAL7 TANKについて調べてみたのですが、ストリートファッション向けのブランドから出ているDJ向けモデルということしかわかりませんでした。正直「DJ向け? ドンシャリで音も悪そう」という予想でした。

 が、送られてきたJack Daniel'sカラーのTANKは精悍でカッコイイ! 割と重くて大きめのヘッドホンなので外で使うようなものではないかなと思い、部屋で使ってみることに。

 実売価格は一万円弱。オーディオ趣味でない人には高級品の価格で、ヘッドホンマニアにとっては入門クラスの価格帯ではないかと思います。

ファーストインプレッション

 さて。
 実際に鳴らしてみると。

 ひっどい。

 いやいやいや。ここで投げ出してはいけません。今、愛用しているSTAX SR-001Mk2だって最初はひどい音でした。ヘッドホンではエージングというかバーンインというか、とにかく初期慣らしみたいな期間があるはず。機械的に作動するものは大かれ少なかれそんな慣らし期間が必要です。

 とりあえず、鳴らしはじめの印象では

  • 密閉型っぽい
  • 音漏れはする
  • 外の音もそこそこ入ってくる
  • 装着感は当たりは硬めだけどフワフワ・フカフカより清潔感あって好ましい
  • 耳の外周にタイト目に触れて耳朶の上に乗っかる
  • カッコイイ

 こんな程度。音質については

  • 解像感 …… 明らかに低い
  • 高音 …… 抜け悪め
  • 低音 …… 強めでベースギターのドリドリやバスドラの力強さがいい感じ
  • ボーカル …… 立体感があまりなく平たく聞こえる
  • クラシック …… 合わない
  • ジャズ …… 金管楽器は割といい
  • HR/HM …… ドリドリ・ダンダンという力強い音は楽しく鳴る
  • 映画 …… 合う! 音割ればかりの映画館よりずっとこっちのがいい

 クラシックを中心に聴いてきたので手元にあるロックやヒップホップの音源が少なくて心許ないのですが、歪みの大きなエフェクトをかけた電子楽器の音はクラシック向きの再生装置にはあまり向かなくて、でも、AERIAL7 TANKのようなヘッドホンで聴くとSTAXで聴くよりずっと楽しかったりすることに改めて気づきました。当初、あまり解像しないし音域は狭いしで「こんなの一万円近くで買っちゃったらがっかりするな」と思っていたのですが、HR/HM系を聴いてみて印象が変わりました。“いい音”じゃないけど“楽しい音”がします。ちょっと見直したかも。
 この系統の音なら音質そのものも良いSONY MDR-Z1000とかが欲しくなりそう。値段が違いすぎるかな。

Jack Daniel'sモデルに比較的近いのは右画像のAmazonリンク。真っ黒なこのモデルをベースに両耳のハウジングに金色の輪が入ってます。

音質

 2012年1月11日現在の音の印象を簡単に。
 毎晩、寝る前の一時間くらい、iPod touchに繋いで聴いていたのでそろそろ“慣らし”も終わったかなということでレビュー。

解像度 鳴らしはじめに比べるとずいぶん改善された。Audio Technicaの1万円前後のオープン型ヘッドホン(AD700)と比べても聴き劣りしないかも。
高音 うんと伸びるわけじゃないけれどまずまず。
低音 アタック感強めでドリドリした感じの音が楽しい。ライブ会場やクラブなんかのスピーカーの真ん前に行ったときの力強い感じが(雰囲気だけでも)出てる気がする。量感はあるけれど可聴域ぎりぎりのうんと低い音はあまり出ていないとも思う。
ボーカル 低音が強い割に埋もれない。特別に声がきれいに聴こえるわけじゃないけれどサ行がキツく聴こえたりもしないので価格帯的に優秀かも。
ロック HM/HRが楽しい。AKGやSTAXよりこっちのが断然楽しく聴ける。
クラシック ブラスバンド的な曲は楽しく聴けるけれど弦楽器やピアノ、オーケストラの音はイマイチ。
映画 ハリウッド的なズゴゴゴと低音の入れられている映画は文句なしに楽しい。

 全体的に印象が良くなりました。2000円くらいの密閉型ヘッドホンのようなチャチな音ではなく、音づくりのなされた音響製品の音がします。DJ向けを謳うカラーバリエーションが売りらしいモデルではありますが、電子楽器の曲によく合う楽しいヘッドホン。装着感も高級品という感じはないですが、しっかりしていて安っぽさはありません。
 クラシックやジャズにはぜんぜん合いませんが、映画、ロック、ポップスならば悪くないです。『魔法少女まどかマギカ』の「Magia」などは手持ちの再生機器の中ではこれが一番カッコ良く聞けました。低音大好きな人はよりズンズン・ドリドリ来るヘッドホンも他にあるので選択肢から外れるかな。デザイン重視でAERIAL7製品に惹かれて、でも音割れするようなヘッポコはイヤという層向けだと思いました。

 当選報告記事に写真もあります。

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