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『ひらり、』vol.7

ひらり、vol.7
新書館
2012.3.24
★★★★☆


表紙/扉絵 高嶋ひろみ

 加瀬さんシリーズから。上の画像の通り、色がとても綺麗。カラーイラストこんなに素敵な人だったとは。扉ページのプリクラ風イラストも可愛い。


愛を描く人 四ツ原フリコ

 四ツ原フリコ、絵の印象がすごく良くなった。丁寧。女子高生作家と昔風のツッパリ娘の話。絵もお話も『ひらり、』向けに調整してきた印象でよく馴染んでました。


この世にただ一人 藤たまき

 わぁ。小学生の登場人物、はまってる。ジュブナイル的なストーリーもいい。藤たまき好きだー。


異次元ダーリン 大沢あまね

 大沢あまねの今回は、同性愛カプの日常という感じ。気負いなく、自然体の日々がほのぼのと。恋愛と依存の境界で、依存に偏りがちなマイノリティの世界を描きに来たような気がします。絵柄もシーンも『ひらり、』的だけれどとてもガチなお話に思えたのでした。女性性を押し出して、でも自然体で。


女の子の設計図 紺野キタ

 第二話です。『ひらり、』での、というより最近の紺野キタは積極的に作風を変えて来ているようで『ひみつの階段』シリーズや『Cotton』、『百合姉妹』に掲載された百合もので強く押し出されていた少女性の描写が現代寄りになっているように思います。神秘性から身近な存在に。
 今回は男前の青音あとの女装?という妙な色っぽさや花南かなんのナイスバディな立ち姿が描かれ、どきっとさせられました。


ほんとのかのじょ 今村陽子

 わずか8ページだけれどビシッとまとめてきました。Vol.2のイラスト以来かな? 絵柄的には少女漫画/萌え漫画的ですががっちりギャグです。


すっぴんべっぴん 朝丘みなぎ

 この作者もVol.2以来。あはは。主人公の見栄を張りたい気持ちはよぉぉぉくわかる。


ロリータコンプレックス 吉田丸悠

 タイトルからロリータファッションの話か歳の差カプの話か、というあたりを連想したのですが違いました。子役芸能人二人の、プロフェッショナリズムを絡めたお話でした。作者は第1回ひらり、GLコミック大賞グランプリの方。


さろめりっく 袴田めら

 最終回。まだまだお話が続けられそうな展開だったのでちょっぴり意外でした。


春風と加瀬さん。 高嶋ひろみ

 加瀬さんシリーズ、前回はマラソン大会用に靴を買って、練習して、今回がマラソン本番です。おおう。ネタバレは避けますがひとつだけ。山田が加瀬さんに声援を送るシーン、カラーで見たかった。ここは“赤”の色でババーンとインパクト欲しかったー。


きっとずっと 平尾アウリ

 Vol.6ではとてもとぼけた不思議ちゃんノリで来ましたが今回は大沢あまねの「異次元ダーリン」ともどもセクシャリティど真ん中のテーマで来ました。8ページと短いながらぴりっと締まったお話。


お姉ちゃん 橋本みつる

 妹→姉と視点が切り替わっていく話で、どちらかの視点に固定した話だったらどうだったろう、となんとなく思いました。


唇に秘密を 八幡

 うわ〜、ひゃ〜、恥ずかし。もう読んでる途中で恥ずかしくってたまらなくなってきました。


箱庭コスモス 桑田乃梨子

 すでになんの漫画かわからなくなって――と思いましたが、桑田乃梨子の漫画はスタート時点から桑田乃梨子漫画以外の何者でもなかったことを思い出したのでした。


ピンク×ラッシュ TONO

 こちらのTONOも桑田乃梨子同様TONO漫画以外の何者でもないタイプ。マール・ツンツン写真集欲しいです。


氷糖プレパラート ふかさくえみ

 理系シャープ感と甘さの同居したタイトルがかっちょいい!一方で内容はほんわかなごめるタイプのお話でした。


あのこのすき、わたしのきらい 王嶋環

 これはまた見事なツンキャラ。Vol.5では四コマだった作者の12ページショートストーリー。


やわらかいあした 矢直ちなみ

 この季節に載せる話にぴったり! この登場人物たちに共感できる年齢の子たちに届いて欲しい気がした。中学の新入学生世代には百合専門誌はちょっと敷居高いかな?


魔女と騎士・海賊版 犬丸

 タイトル的に神林長平を連想してしまうSF読者。今回のは連作の演劇部話の劇中劇の部分だけ抜き出したもの、かな? この作者はこういういかにもお話めいた設定のがノリがいいような気がする。


コピーフレンド 麻友紗央里

 第3回ひらり、GLコミック大賞奨励賞作品。画力も構成も危なげないというか誌面で浮いてない。これだけ描けて奨励賞か〜とも思うけれど、賞向けとしてはインパクト弱め――かも。第1回グランプリの吉田丸悠とともに『ひらり、』生え抜きとして頑張れ〜。


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