百合アンソロジー『Dolce』
百合アンソロジー Dolce
エンターブレイン
2012.5.25
★★★★☆
『amaro』というアンソロジー形式のコミックの百合特集版が今回の『Dolce』であるようです。『amaro』vol.1〜3の段階でも魅力的な描き手を揃えていたようですが、どういうアンソロジーなのかがわかりづらかったのかな。今回は“百合”に絞ってタイトルも一新。『amaro』vol.2の“男装女子”というのも面白そう。
掲載陣は、
イラスト:なもり/小梅けいと/ひびき玲音/加茂/みずのもと/ソウマトウ/八色/しらび
漫画:茉崎ミユキ/真西まり/水瀬るるう/飴沢狛/ナヲコ/たまつー/ピカチ/百合原明/水本正/ミズタマ/渡まかな/やまもとまも/黒井みめい・稀周悠希/ささきあきら/MATSUDA98/ベンジャミン
と百合漫画では割と馴染みのある人が。全242ページで『つぼみ』『ひらり、』よりわずかにボリュームが小さい程度。普通の単行本くらいの厚さを予想していたのでずっしりで驚きました。
作画の水準はアンソロとしては高め。「同人方向に偏り過ぎ……」とクセの強すぎる作画に困惑することもなかったです。表紙カバーや巻頭も含めてイラストに力が入っている感じ。漫画だけで16篇あり一作ごとのページ数は少なめ。
今回の『Dolce』ではナヲコと百合原明、水瀬るるうがお気に入りとなりました。イラストのみずのもとも好み。公式サイトに試し読みページもあるので購入を迷っている方は眺めてみられてはいかがでしょう。大勢の作家さんが描いているので好みの作家探しにも良さそうです。百合度は概ね友情から一歩踏み出すか出さないか……くらいの感じで、大きく踏み出しているというかぶっちぎりなのは妖怪もののベンジャミン。いえ、具体的なエロ描写はないのだけれど人外エロス漂ってます。
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