Amazon Kindleストアオープン
日本のKindleストアがオープンしました。
同時にKindle Paperwhite 3GやKindle Fire HDの国内予約が始まりました。11月半ばには発売となるようですが10/27朝の時点で1月発送になるとの表示もあります。
Kindleストア
Kindle端末はまだですが、手元のiPadでKindleの書籍を買ってみました。webブラウザで購入→iPadアプリで読む、という流れになります。iPadアプリ上から直接Kindleストアでの買い物はできませんでした。
『のだめカンタービレ』は紙コミックス版で23巻まで買って「完結したんだ」と思っていたのですがオペラ編の続きがあったようで24、25巻は未購入でした。Kindle版で発見したので購入。
コミックはScansnapで電子化するとデータサイズが嵩張りがちなのですが電子書籍版は上手にデータサイズを抑えているようです。解像度はiPadでの見開き表示で微妙にぼやけてるかな?という程度でかなり高品質。自前で電子化するとノドの部分を裁ち落としてしまいますが、商品ならばそんなこともなく見開きも綺麗。……あれ?ページによっては見開きの左右がズレたりもしてますね。
解像度をもっと上げて欲しいとか、DRMが邪魔だとか不満もありますが、RetinaのiPad+Kindleアプリであれば読書体験として悪くないように思いました。
楽天koboストアやSONY Readerストア、Galapagosストアと比べると、通販の王者・Amazonだけにショップの出来に明らかなアドバンテージがあります。う〜ん。なんで日本のショップはこの使いやすさを真似できないんだろう。
電子書籍ストア比較
ITmedia eBook USERの定点観測:電子書籍ストア蔵書点数記事を元に表で比較してみます。Kindleストアは元記事になかったので自前で調査しました。ジャンル分類や統計方法がストアによって違うので参考程度に。
ストア | 書籍 | コミック | 雑誌 | トータル | コミック率 |
GALAPAGOS STORE | 47581 | 27851 | 5958 | 81390 | 34.22% |
Reader Store | 40069 | 24743 | 2386 | 67198 | 36.82% |
Koboイーブックストア | 54211 | 11155 | 65366 | 17.07% | |
Kindleストア | 54012 | 14806 | 68818 | 21.51% |
履歴も含めてグラフ化してみたものがこちら。一回しかデータのないKindleが埋もれてしまっていますが。
GalapagosストアやSONY Readerストアはコミックスの多い分抜け出しているみたいです。今の増加ペースだと年間4万点程度なので紙書籍の年間7万点にも及ばず、電子書籍が紙書籍の品揃えに追いつく日が見えてきません。
DRMと貸本
「Amazonの電子書籍は貸本である」というwebの記事やツイートが回ってきました。これは「違う」と言いたいです。
Kindle Direct Publishingというデジタル個人出版の仕組もKindleストアと同時に日本向けに始まっています。このシステムではDRM(コピー制御)も施すことができるのですが、DRMなしを選ぶこともできます。貸本、という言い方はこのDRMのことを指すのでしょう。出版社向けのメニューではどうなっているか確認することは私にはできませんが、恐らくKDPと同様の設定ができると思われます。つまり、電子書籍を貸本状態にしているのはAmazonではなく版元——出版社です。電子書籍ではオライリーという技術系書籍専門出版社がDRMなしを謳っているので、ここがKindle日本ストアにタイトルを並べるようになればはっきりするでしょう。
現状の電子書籍が貸本状態であるのはGalapagos、SONY Reader、Koboでも同様です。失敗に終わったΣbookやLIBRIeとも状況は変わっていません。これは電子書籍ストアの淘汰が始まったときに大きな問題となるはず。デスクトップ検索での書籍内検索利用も含めて、DRMの廃止、もしくは端末やお店の利用IDではなく、個人にDRMを紐づけるような仕組が欲しいところです。
Kindle Direct Publishing
上の項でも書きましたが、始まっています。KDP日本。
ただし、まだイマイチな部分もあってAppleのiBooksできちんと縦書き表示できるePub原稿を元データにしてKDPにアップロードしても縦書きのmobiになってくれません。このあたりは良い原稿作成フローを見つける人がでてくるか、KDPの対応を待ちたいと思います。
ePubを用意する→Kindle Previewで表示、という手順でaozoraepub3で作成したePubが縦書き・ルビあり・傍点あり・章題ありできちんと認識されました。「Table of Contents」に目次がきちんと表示されなかったのが惜しいものの、かなり簡単にKindle向けデータが作れることは確認できました。
Kindle Previewは28日までのMac版ではMountain Lionでは起動不可だったのですが差し代わったようです。
自作小説の無料版を配布したいのですが0円設定は裏技的な方法しかないようです。
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