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Logovista 明鏡国語辞典 第二版 Win/Mac版

 2012年夏に明鏡国語辞典の第二版が登場していて、少し遅くなりましたが購入しました。紙版ではなくWin/Mac対応のデジタル版パッケージです。

 今はMacでPC環境を揃えているのですが、ちょこっとお安いダウンロード版(Win版Mac版)もあったもののWin環境に復活する可能性もありWin/Mac両対応のパッケージ版にしておきました。

明鏡国語辞典

 旧版の明鏡国語辞典はATOK版を利用していて使い勝手も良くとても気に入っていました。明鏡は個性的な国語辞典で、語の使い分けや文法を重視した辞書です。ATOK上では使い分けの微妙な同音異義語が変換候補として並んだときに便利で、漢字の使い分けを重視したい文章を書くときにはとても役に立ちます。百科事典的になってしまった広辞苑とは対照的で、日常的な言葉において実用性が高いのが明鏡国語辞典の特徴だと思います。

Logovista純正ビューワでの明鏡国語第二版

 初版と第二版の差はATOK版とパソコン版の表示の違いの方が大きくて中身の差はよくわからない、と最初は思ったのですが、比較してみると類語辞典的な側面は控えめになって用例が優先されるようになっています。

Atok版:明鏡国語

 収録語数も増えているそうですが実感としてはわからないです。辞書としての精度——多義の語釈がきちんと分かれているか、用例は文法的に適切かとかは(類語的な辞書だとこのあたりが弱いものが多い)もっと使い込んでみないとなんとも言えないですし、初版でも問題に気づいたことはなかったです。

 これまで使っていたのがATOK版で紙版は図書館で眺めた程度であまり気に留めていなかったのですが、この辞書、日常的な言葉の使い方に関するコラムというか特集のような記事がまとめてあってデジタル版ではトップページから参照できます。

コラム的な記事:明鏡国語

 一般常識的なもののまとめかな、と思いますが学習用の辞書らしくもあります。

dessed/EPWING

 Logovistaの電子辞典シリーズはdessedというツールで汎用のEPWING形式に変換可能です。Mac/Win用の検索ツールもパッケージに入ってきますが、私はMac/iPadと複数の環境で辞書を利用したいので汎用形式の方が都合が良かったりします。明鏡国語第二版でも試してみたところ、EPWING化できました。外字周りでは多少の問題も出ています。現在外字をunicode領域文字に定義するplistの作成に取りかかってはいるのですが時間がかかりそう。
 plistの作成、必要ありませんでした。EB Series Support PageのEBPocket/EBWinの項に明鏡国語辞典第二版用の外字定義ファイルがありました。外字定義が分散していてとても自力ではplistを作成しきれないとがっかりしていたのですが、すでに対応いただいていたとは。見落としていました。ありがたや〜。

明鏡国語第二版:EBMac

ビューワ

Logovista純正ビューワ 操作がキーオペレーションだけで収まりづらい。
EPWING規格に捕われない柔軟な表示。
EBMac
EBPocket for iOS
EBWin他
キー操作だけで収まる。
多彩なOS環境で使えるハズ。
EPWING変換が必要。

著作権保護

 明鏡の前にLogovistaの電子辞典を購入したのは日本語大シソーラスでそのときは制限もあまり厳しくなかった気がするのですが現在のLogovista製品は著作権保護機能が厳しくなっているようで利用には注意が必要です。

  • 製品のインストールは3回まで
  • 引いた辞書内容のCopy&Pasteは30回/日まで
  • 印刷も10回/日まで

 EPWING化して非サポート環境での使用は明示的に禁じられてはいませんが、パソコンにインストールし、EPWING化してスマートフォンなりでも利用しようとすると「3回のインストール」という制限にかかりがちです。スマートフォン版なども別途出ているのでそれぞれの環境に合わせて買い直してくれ、ということなのかな。
 ユーザ登録を必須にしてオンライン認証の上で使わせるのなら、スマートフォンも複数台のパソコンも1IDで(AmazonのKindle本のように)どの環境でも使えるようにして欲しいところ。この先違うOS環境に移るときにはまた一から電子辞書を買い直さないといけないのでしょうか。ATOK版から今回のパソコン版に買い直したのも第二版が出ていたからで、それがなければ買いたくなかったのが正直なところ。

関連記事

外部リンク

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『彼女とカメラと彼女の季節(2)』月子

彼女とカメラと彼女の季節(2)
月子
講談社モーニングKC
2012/12/21
★★★★☆

 印象の良かった1巻に楽しみにしていた「カノカメ」の2巻。

 明確にユキへの恋愛感情を自覚したあかり、相変わらず謎キャラのユキ、あかりに一途な凛太郎の三人の関係がそれぞれの思いのギャップを伴い、進路や写真を絡めながら進展して行く第2巻です。ユキは感情面でのニブさ……というよりディスコミュニケーション度の高さから無自覚に周囲を強烈に振り回すキャラであるために、あかり視点で進むお話に「うわ〜、どーゆーこと」と読む側も一緒に振り回されます。

 百合漫画好きな方の中にはあるいは「凛太郎じゃま!」とヘテロアレルギーを起こす人もいそうな展開ではあるのですが、普通に読めば凛太郎の立ち位置は非常に切なく思えるのではないでしょうか。こんなにまじめで誠実でイイ男過ぎて薄幸フラグだろうこれ、みたいな。
 この先どのキャラがどのキャラとくっつくのか先の読めないお話ですが、この漫画で描かれるのは 写真≫恋愛 あるいは写真で感情を捉えることを優先するユキだろうと思うので、恋愛感情描写最優先の典型百合漫画のようにはならない予感がします。そういう意味では百合モノとして期待している人たちには向かないんじゃないかな。
 「のだめカンタービレ」がのだめ×千秋の恋愛も盛り込みながらもけっきょくは音楽なしにはのだめも千秋も成立しなかったように、ユキはカメラとアイデンティティの切り離せないキャラであるのでしょう。こういう骨太の「写真ってなんだろう」みたいなものの詰まったお話が好物である身には、同性/異性への感情の揺れまでを備えた「カノカメ」は待望のお話なのでした。

 「カノカメ」は写真がキーとなる漫画ではありますが蘊蓄最優先漫画でもないはず。単焦点である上に動く被写体を追うのには向かない二眼レフで動き回る高校生を写し、自家処理現像の恐らくはモノクロであろうプロセスが描かれはするもののカラーページに登場するのはカラー写真。今は避けて通れないデジタル機材も登場しないようです。写真やカメラの蘊蓄そのものを描くための漫画ではなさそう。けれど作者が写真に不案内かといえば正反対で、相当な写真好き——ユキのように写真学校に行くような、あるいは高校・大学で写真部に入って本格的に勉強したのではないかと思えるレベルでの写真好きであると思います。ストイックに写真に接した人だけが備える写真に対するスタンスがヒロインであるユキに反映されているのです。わかりやすく「写真マニア漫画でーす」という記号はありませんが写真をキーにしか発想することのできないキャラが説得力たっぷりに描かれるというあたり、検索ひとつで知識が拾えてしまうゆえに知識面での見せびらかしだけでは見向きされなくなった現代の漫画ならではの濃さがあります。『ちはやふる』なんかもそうですね。作者が明らかにマニアックなレベルの経験を持っていて、それを武器にしている。そういう種類の漫画です。

 百合面ではどうか、というとこちらも私にはとても好ましくて、「同性が好きかもしれない」という戸惑いや周囲とのギャップ、定まりきらないセクシャリティ、同性愛ということ以上にギャップとなる自分と他人の溝が描かれていて百合漫画専門誌が霞んで感じられました。「カノカメ」を読んでいると専門誌という約束の中にないがゆえに描ける百合がある気持ちが強くなります。たとえこの先ヘテロエンドになったとしても百合漫画オタの端くれである私が「カノカメ」を大切に思えた気持ちは確かにあったのです。そしてこの印象が過去完了とはならないであろう続巻が来ることも確信が持てます。紛れもなく2012年の収穫のシリーズとなりました。

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『つぼみ vol.21』

さいごのつぼみがはじまるよ。

つぼみ vol.21扉絵より

★ ★ ★

つぼみ vol.21
芳文社
2012.12.12
★★★★☆

 「あまくてやさしい、百合アンソロジー」つぼみ、vol.21にて休刊だそうです。少し前から書店向けの発売リストに最終巻らしき表記があるとか、Amazonの商品写真の帯で休刊を思わせる記述があったりしていたのですが本当に休刊になってしまいました。雑誌形式に移行するのかな?なんてのんきな予想を立てていただけにびっくり。

表紙 吉富昭仁

 『つぼみ』vol.1の表紙も吉富昭仁でこの二人でした。帯もvol.1の「しっかりたっぷり306頁」であったのを踏まえたらしき「しっかりたっぷりしめくくり」。最終巻なんだな、という実感がひしひしと。

しまいずむ 吉富昭仁

 凸凹ペア×2はヘンタイ度薄めのいい話に落着。もう一組はいつものヘンタイ全開でいつものままのノリで幕引きとなりました。このお話はまたいつどこで再開してもおかしくない感じがします。vol.1からvol.21まで皆勤でもあった「しまいずむ」は『つぼみ』の顔でもありました。

少女サテライト はみ

 星座少女たちも今回は生命の循環を感じさせるお話で最終巻にしっくりくる雰囲気でありつつwebでも続くようです。

魚の見る夢 小川麻衣子

 vol.11からの掲載で第7話。じわじわと緊迫してきた姉妹の関係。第1話では首輪ネタという強烈なお話でしたが、真綿で締めるような主役二人の包囲網が整ってきた感じです。でもまだもう少し時間をかけてじりじりと締まってきそうな気も。

ひみつのレシピ 森永みるく

 夏合宿以来部長が若槻を意識するようになり急速に進展を見せ始めた気のするストーリー。今回は文化祭ネタ。若槻らしい華やかなところを見せてくれました。そして妙に神妙にスパートかけてはきたけど若槻だもんね、森永みるくだもんね。どんな展開で若槻らしいところを見せてくれるのか続きがとても楽しみ。

ベツキス 百合原明

 あ、あれ? 輪ちゃんが危機に陥っていそうな、と続きがとても気になります。望永さんの回想があったりの32ページでボリュームたっぷりでした。

となりの rin

 作者さん情報が欲しいなと思ったのですが検索で洗い出せませんでした。外向的な幼馴染との友情の再確認的なお話。もうちょっとアクというか印象に残る要素が欲しかったかな。

ふたり 大朋めがね

 2話目だけど1話目とは登場人物の違う二人。タイトル的には「ふたり」のショーケースみたいな感じなのかな。む〜むむむ。『ひみつ。』『Green. 』に続く単行本になるといいな。

十二月のスノウメルト コバノ

 vol.18の「女王蜂のジレンマ」の作者さん。誘拐もの?という始まり方ですが今回もパワーある漫画でした。演出というか見せ方というか絵に力があってぐっと引き込まれます。webでも12/26に関連作が載るそうで楽しみ。

ベジタブルリラ ヨリコ

 テンション高めで楽しい空気のあるお話。久しぶりの祖母の家は野菜収穫の季節で、幼馴染?と野菜と畑の虫と。作者さんが気になったけどやっぱりネットから見つけ出せないのでした。

前略、百合の園より 須河篤志

 ぉぉ。ここに来て急展開というか主役二人の距離が一気に縮んだ観が。今回のお話は公式サイトのwebコミックが前振りになっているのでぜひそちらも。百合と漫画を作ってる相方との関係やらなんやらまだまだたくさんドラマが用意されていそうです。

星の音 戸間

 トランペット吹きの少女と小人妖精?の話。周囲のプレッシャーがちょっと辛くなってしまったトランペット吹きが遭遇した星空の下の妖精。初見の作者さんですが好印象。

エデンの東戸塚 袴田めら

 今回は温泉旅行と部活話の二本立て。温泉話、前回から引っぱったオチはめら節コメディ。まだまだずーっと続きそうな感じだけどweb移行の予告がなくてちょっと心配。

神さまばかり恋をする 一花はな

 コトリの心情に変化が起きているここ数話。単行本を読み返してみると後半からコトリが悩みはじめたのが良い感じに効いてきた印象です。単行本『神さまばかり恋をする1 』、神さまたちの制服イベント描き下ろしもありました。

★ ★ ★

 ひとまずは「おつかれさま」。
 創刊から読んできてお気に入りの作品もできたし、新たに知ることのできた漫画家さんも幾人もいてアンソロジーとしての役割を十二分に果たしてくれたように思います。webコミックの掲載も良い方向に作用して新雑誌の創刊とかに繋がるといいな。

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『彼女×彼女』大沢あまね

彼女×彼女
大沢あまね
白泉社ひらり、コミックス
2012.11.30
★★★★☆

 百合アンソロジー『ひらり、』で知った作家さんの楽しみにしていた単行本。
 収録されているのは『ひらり、』掲載の四コマ6話、webウィングスからの四コマ8話、コミックハイからのストーリー漫画1話、描き下し「図書室の姫ちゃん」番外篇ストーリー漫画6ページです。あと、各話の幕間に四コマであったり一コマであったりのミニ漫画と、表紙カバー下とフルセット。
 『ひらり、』掲載分以外は初見がほとんどで、『ひらり、』読者的にはお得な感じでした。

 お話はストーリーの明確にある四コマスタイルが中心。『ひらり、』は百合漫画誌ですが「百合周辺」まで含めた大沢あまね短編集と考えるのが良いかと思います。

ネタバレあり感想

続きを読む "『彼女×彼女』大沢あまね"

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『ひらり、』vol.9

ひらり、
新書館
2012.11.30
★★★★☆

 今回も良かった『ひらり、』。『百合姫』で馴染みの作家さんたちも顔触れが増えてきたのは嬉しい反面、一迅社や芳文社とは違う作家陣を知ることができたのも『ひらり、』の楽しさでもあって。「ピュア百合」の方針と新書館に縁のある作家さんをこれからも教えてくれるアンソロであるといいな〜と願ったり。今号もボリュームある424ページ。

表紙&お姫様の鏡 森永みるく

 『ほうかご!』にも掲載のあった森永みるく。今回は表紙とタイアップ。アクシデントから人気の上級生となんちゃって恋人シミュレーション。

おべんとうと加瀬さん。

 単行本、『ほうかご!』と「加瀬さん。」シリーズを読んでいたせいかもっと話が進んでいたような気がした今回・告白後からの日々。おや、あれ、前半のこのむっつりモードな加瀬さんとの擦れ違いはイベントの予感!となりつつも今回はタイトル通りのお弁当話で健全……いや、やっぱり加瀬さんはむっつりだ、という結論に至ったのでした。

少女プラネタリウム 雨隠ギド

 雨隠ギドはvol.1に掲載されたときの三角関係の話で「わ〜、この絵好きだ」と刷り込まれて以来お気に入り。今回はプラネタリウムネタ。読んでいいな〜と欲しくなっちゃうグッズというのがあったりして悩ましい漫画でした。

聖純少女パラダイム 森島明子

 『百合姫』では柱といっていい森島明子、『ひらり、』では少し雰囲気を変えていてキャラの天真爛漫度?コミカル度?が高まっている印象です。葵とリリの関係はどんな風に進んでいくのかな。

少年 紺野キタ

 「少年」や「少女」をキーワードにしたお話を作る紺野キタはやっぱり大好きだぁ〜。しかも『ひらり、』発売前日あたりに何気なく「心のオヤジ」に触れていたりして、あああ、確かに明治期に女学校制度をぶったてて幻想の女の園を作り出したオヤジ心は百合を愛でる感情となんか繋がってるかもしんない、と勝手な解釈をしてごろごろ悶えてしまいました。や〜、それにしても音楽室のシーンいいな。密くんのハートを鷲掴みにする魅力的なはずのシーンが、読者にとってもハート鷲掴みになるというのはもう幸せというかなんというか。

ストロベリーショートケーキの感染 袴田めら

 幽体離脱をきっかけに家族のマイブームが感染して、という話。これはもう一捻りした続編が作れそう、とちょっと妄想してしまいました。

ふたつの世界 橋本みつる

 甘酸っぱい青春の一ページ。告白とそのリアクション。好き嫌いがはっきり分かれそうなアクの強い絵ですが尖った部分のある少女漫画の香りが魅力だと思うのです。ストーリーはしっとり。

しのびのいろは ささだあすか

 単行本『ふわふわのきもち』同日発売。ささだあすかは今回みたいなほのぼの忍者も作風にぴったり。

おみ足を此処へ 大沢あまね

 やはり単行本『彼女×彼女』が出たばかりの大沢あまねは靴屋……靴職人のお話。これはアレだ、シンデレラ!

ほんとのかのじょ 今村陽子

 一話目で手探りな感じもありつつインパクトもあって四話目になってみたらもえの変態度設定がかなりぶっ飛んでるのが明らかに。変な方向に濃いです。ピュア百合アンソロジーに咲くディシプリンの花・キュアS&M。

under one roof/parlor 藤生

 ぉ〜。なんというか、ドリーム漫画というか。4ページくらいずつ進むストーリー漫画と四コマの中間みたいな感じでじりじり前進。後半のエッセイ漫画も楽しそう。palor中でも同行していた森島明子先生のレポもpixivで公開されてます。

妹ができました。 芥文絵

 ひらり、GLコミック大賞準グランプリの作品。絵もお話も丁寧で綺麗でこれで新人賞作品なのか〜と感心しまくり。『つぼみ』vol.12、vol.20にも掲載のあった方でサイトでも(百合オンリーではないですが)素敵な漫画を公開されてました。

犬と猫 藤こよみ

 vol.3の「プルケリマ」と『ほうかご!』の馬術部ものの作者さんですが三作とも印象が違います。作風の幅が広い〜。今回はケモ耳キャラによる娼館の用心棒話でレビューサイトやAmazonレビューを見ると賛否がはっきり分かれた模様。私は「賛」派。ガチ恋愛縛りがないのが『ひらり、』の良いところだと思うのです。

健康診断、ふたりきり カザマアヤミ

 か、かわいいな。ワンコっぽいキャラ。うちにも以前ゴールデンリトリバーがいて、まさしくこんなキャラでした。ちょっと涙が。悲しいお話じゃないですが。

おにあいのわたし ユキムラ

 憧れの洋子さんに写真を撮ってもらうお出かけ。山に行くということで森ガール的オシャレをしてきたのだけれど予想以上に本格的な「山」でというちょっとドジっ子属性っぽい主人公と写真好きの洋子さんとの話。最近は写真への関心が高まっているのか、百合漫画でも写真ネタが増えてきて写真好きとしては嬉しかったり。

リミフレ ふかさくえみ

 これはヤラレタ。頭身低めの四コマっぽい絵柄で期間限定の友人のリミフレというお手軽感のある設定で。あー、もう何を書いてもネタバレになりそう。とにかく、まっすぐなとこがスコーンと気持ちの良い話でした。

木立 藤たまき

 藤たまきはvol.7に載っていた「この世にただひとり」という小学生の話が好印象でしたが、今回は大学生主人公。強烈なガテン系とーちゃんが出てきたり、特段技能のない女子の生計の話が出てきたりと、先の養蜂家の子の話同様、児童小説的な気配の作風でありつつ現実を感じさせてくれます。

誘われ温泉 雁須磨子

 OL二人の箱根旅。雁須磨子の話は作者の独特のリズムに合うとすとんと落ちてくるので「よくわからない」という人はゆっくり読んでみるのがお勧め。微妙なディスコミュニケーション感というかコミュニケーション力低めのキャラの面白さがじわーっと。

ピンク×ラッシュ TONO

 TONOの漫画は油断できない。このままマールとサナがずっと付かず離れずなのだろう、と安心したところでとんでもない設定が来そうな気がして毎回恐々としていたり。人食い妖怪の話になったりしないだろうか、か。

箱庭コスモス 桑田乃梨子

 そろそろ、そろそろ本物のふしぎ研究を見たいふし研。いつもながら風和当人というか、作者が一番不思議だよなぁ……。

ヒミツノハナゾノ 犬丸

 犬丸の演劇部のこのシリーズのお話は登場人物も多めで、キャラ間の関係もわりと複雑っぽいので単行本でまとめて読むと映えてくる気がします。群像劇ならではの感じがあって。今回はゆいっちと内藤さんの話でした。

 帯の見返しには三月に紺野キタとふかさくえみの単行本が予定されているとありました。楽しみ〜。
 新人賞は今号に掲載の芥文絵と期待賞の二人。

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