『はしっぽ花星1』こがわみさき
はしっぽ花星1
こがわみさき
電撃コミックス
2012.11.27
★★★★☆
帯の裏表紙側には「“百物語”の恋話バージョン“花物語”」という言葉があり、吉屋信子が好きな私は「おや?」と引き寄せられました。中身を読んでみると帯の文言通り、順繰りにする恋バナのことでした、と紹介すると雅な話っぽいですが導入部のイベントがスカートめくりであったり、千人斬りなんて言葉が飛び出したりとやんちゃなノリもありました。絵柄はシンプル系少女漫画風で可愛いくも萌え絵という印象ではないです。好みの絵。
舞台は共学校で主登場人物は女子ばかり。主人公・小梅のキーパーソンが男子っぽい女子であるということから百合的な方面にも期待はしてしまうものの1巻時点ではそういう種類のお話ではなく、高校生の日常と友情を丁寧に描いています。
掲載誌は「電撃大王ジェネシス」で休刊ということで「電撃大王」に移行だそうです。少女漫画誌に掲載されていても違和感がなさそうな作風かな。ちょっとズレたところのある“若”が凛々しくカッコ良くキマる絵があちこちにあってギュンと来ました。こういうキマるシーンを持っている作者の漫画に滅法弱い身としては続刊も購入決定となったのでした。
戦闘も魔法もない学園友情もので地味と言えば地味。でも、とても好感の持てるお話です。おすすめ。
試し読みもありました。
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