『NOVA9』大森望編
NOVA9
大森望編集
河出文庫
2013.1.9
★★★★☆
掲載作
眉村卓 | ペケ投げ |
浅暮三文 | 晩夏 |
斉藤直子 | 禅ヒッキー |
森深紅 | ラムネ氏ノコト |
田中啓文 | 本能寺の大変 |
小林泰三 | サロゲート・マザー |
片瀬二郎 | 検索ワード:異次元/深夜会議 |
宮内悠介 | スペース蜃気楼 |
木本雅彦 | メロンを掘る熊は宇宙で生きろ |
谷甲州 | ダマスカス第三工区 |
扇智史 | アトラクタの奏でる音楽 |
感想
今回のNOVAは好みの作品が多くてお得な一冊でした。
印象に残ったものの中からコミPo!で漫画にしやすそうなものを感想or紹介漫画にしてみました。
谷甲州の「ダマスカス第三工区」の宇宙土木シリーズも面白かった。これはいずれ単行本にまとまるかな? エンケラドゥスで水採掘プラントに起きた事故の話。
スペース金融道シリーズは宮内悠介の書くものの中ではちょっと苦手な題材なのですが、今回はカジノでゲーム理論っぽく展開するあたりが面白く引き込まれました。
今回の出色は小林泰三「サロゲート・マザー」と扇智史「アトラクタの奏でる音楽」。前者は代理母もので素材の良さと筆力とお話の仕立てがもう完璧! 後者は百合+複合現実SFの音楽モノで百合好き兼SF好きにはたまらないお話だと思います。百合にはあまり関心を持たない人にもサイバーパンクが一周して日常になりかかっている時代のお話として、カオス理論による大衆行動の分析にリアリティが備わってきた感が味わえるんじゃないかな〜と思ったのでした。
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