『未完の恋』宮内由香
未完の恋
宮内由香
まんがタイムKRつぼみコミックス
2012.6.27
★★★★☆
ちょっと前のコミックスの感想。
宮内由香のお話は『つぼみ』で「胸の焔」を読んだときの印象で「おっかない」だったのですが一冊に収められてみるとしっとりとした大人感が強く感じられてきます。
描き下しは表紙カバーの子の巻頭カラー付きの話が一つと「ファミリア・ファミリア」の番外篇が二つ、「鬼丸さんの恋」の後日譚と多めですし、『まんがタイムオリジナル』掲載作(百合ではないですが)や同人発表作品まで収録されていて『つぼみ』を読んできた読者でも初見の内容がいっぱい。
女性の執着心をがっちり描いた「胸の焔」と「ファミリア・ファミリア」がやっぱり出色で、この作者はそういう部分が良いのだなと改めて思ったのでした。表題作になった描き下しの「未完の恋」もワンシーンのお話だけですがこれも百合漫画らしい百合漫画に仕上がっていて良かったです。作中に流れている時間の密度が“濃い”感じが特徴の作風かな。
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