Dell U2713HM 購入レビュー
パソコンのモニタを新調しました。
購入
DellのU2713HMです。NTT-Xストアで購入。44980円でした。セールということになっていますが3月くらいからこの値段で購入できたようです。27inch以上のモニタもLEDバックライトになり、昨年あたりから値段も手頃になってきたということで購入に踏み切りました。27inch/WQHD(2560×1440)です。Mac miniでの使用。I-O DATAのLCD-AD202Gという20inch/UXGA(1600×1200)からの置き換えです。
接続
Mac miniとの接続はmini Displayportを使用することにしました。Mac mini late2009標準のDVIアダプタとU2713HMの組み合わせでは1920×1080までの表示になってしまいます。(miniの標準アダプタがSingle Linkのため) Displayport―mini Displayportのケーブルは『Mini Displayport (Thunderbolt) ⇔ Displayport 変換ケーブル 1.8m 白 【A0203B】』というものを購入してみました。廉価ケーブルですが表示には問題がありません。コネクタのロックがちょっと押しづらいということはあるものの、これはモニタ側の作りも一因の気がします。ケーブルの品質はトラブルが出てみないとわからないのがやっかいですね。かといって市販品だと「これを買えばまず大丈夫」というブランドもない気がしますし。Dell純正オプションでもあれば無難なのですが。また、mini Displayport←→Displayportのケーブルは通販だと端子のオス・メスもわからない製品が多く買う時に戸惑いました。
表示
WQHDで広さはほぼ期待通り。横は1600→2560ドットと明らかに広くなり、縦は1200→1440ドットで微増程度。ドットピッチが細かくなったこともあり縦の実寸は20inchスクエア型と変わりません。2560×1600のWQXGAだと買いづらいお値段になってしまうので縦160ドットの妥協ということになります。
冷陰極管バックライトの30inch/WQXGAだとモニタと向かい合っているだけで「暑い」という話はよく見るのですが、U2713HMは消費電力も低く暑苦しさとは無縁のようです。本体上部の通気口に手をかざしてもI-Oの20inchより明らかに温度が低いです。表示する解像度・リフレッシュレートによっては極微かなハム音が聞こえることがあります。
輝度の調節範囲は広く、照明が控えめの部屋+テキスト編集中心の私の用途でも眩しくて目が疲れてしまうこともありません。これは融通が利いて良かったポイント。安物のLEDバックライトでは輝度を落とすと画面がちらついてしまいがちですがそれもありません。比較的目に優しいという評判であった置き換え前のI-O DATA LCD-AD202Gよりもざらざら感が少なく、ギラつきも感じられず良い印象です。
表面はノングレア(艶消し)仕上げ。発色はフツーのsRGB……より少し広いようです(上図参照。グレー部分がsRGB。) 特性も素直で十分にキレイではありますがiPad3との比較では色域・階調ともに負けていてグラデーションでは微かなトーンジャンプが確認できます。動画も特別にキレイということはなくテレビと比較すると「しょせんパソコン用」ですが見づらいというほどでもありません。27inchワイドで端っこはそれなりに角度がついて見ることになるものの中心から両端まで色味も安定して見えます。輝度を高めにしたときにはグレー部分等にごくごく薄く干渉縞のような斜めの縞が見えることもありますが気になるほどではないです。個体差もありそう。
デジカメ写真の編集やドキュメントスキャナによる電子化での利用は多画素表示で快適です。画面サイズが大きくなったことに併せ、ドットピッチが0.233mm/108dpiとこれまで使っていた20inchより細かくなったのが効いてます。iPadの250dpi超のRetina画面を体験してしまうと多少物足りなくもありますが。
画素数が増えたことでMac mini late2009のビデオ性能が追いつかないのではないかと心配したのですが2560×1440画面でも目立って表示が重くなったりはしていません。1080p動画も再生してみましたが問題なく再生されました。
U2713HM×Mac mini 2009lateでのDisplayport接続には多少の問題があるようです。使用中にケーブルを抜くと再度挿してもスリープから復帰せず、一度パソコン自体の電源を落として起動し直さないと表示が回復しないことがあります。
縦表示
ピボット回転で縦表示が可能です。物理的に回転させても表示変更は手動です。16:9のワイド画面の縦表示は短辺が狭過ぎる印象で試しておしまいになりそう……。
筐体
スタンド部分や筐体は高級感まではなく、台座の裏側などは雑な仕上げに見えもするのですが実用性では文句なし。梨地プラのOA機器でよくある表面です。背側は黒/銀のツートンですがパソコン使用中は黒い枠しか見えません。重量が軽い――本体のみで5.6Kgしかないこともあって高さ・向き調節は使いやすくとても気に入りました。
ベゼル周辺の作りはユルめ。スキマが大きいとか噛み合わせが食い違っているとかはないものの、ベゼル上側を軽く押すとギシギシ鳴り、変形します。電源を切ってモニタが冷えて行く時にも熱収縮によるものでしょう、ピシ、パシと軋み音がすることも。
電源インジケータのLEDがやや眩しく、スリープ時に緩やかに点滅するので、不使用時にスリープのまま放置すると暗い部屋ではやや目障りです。
OSD
表示設定の変更メニューは表示位置・デザインとボタンの位置関係に違和感があってあまり使いやすいとはいえないですが設定内容は必要十分。プリセットモードを切り替えできるのは便利、かな。
Macで社外品のモニタを使っていて残念に思うのは輝度調節などをコンピュータ側から操作できないこと。U2713HMではDDC/CIというVESA規格に対応しているためDVI接続のみですがコンピュータ側から輝度やコントラストを調節することが可能です。“Controlling Your Monitor with OSX:DDC Panel”にMac OSX向けのツールがあります。惜しいことにmini Displayport経由では機能しませんでした。
4/24追記。Mac側からモニタの輝度調節ができるというツールを知り、試してみました。Shadesです。
mini Displayport接続であっても確かにモニタの輝度調節ができる、のですが望んでいたものと少し違いました。液晶モニタはバックライトの強弱で輝度調節をするはずなのですが、Shadesは「白をグレーにする」ことで液晶パネル側は一切制御せずに、Macから出力する色を調節します。見た目には輝度調節ができていますが、輝度を抑えても消費電力が減っていないことに。
ノートパソコンとの接続(2017年4月追記)
U2713HMは購入当初から気になっていたことがありました。HDMI入力端子がHDMI1.2までしか対応しておらずHDMI経由では1440p出力できない、と。
2017年4月にDell Inspiron15 3558との接続を試みた際に、HDMIのバージョンによる制限に引っかかってしまいHDMIがver.1.2であることを確認しました。WQXGAでも27Hzのリフレッシュレートであれば接続できることも確認しました。
端子類
左側面にUSB3.0端子が二つ、背面下部にやはり二つあるのでパソコン本体を少し離れたところに設置してもキーボードやマウス類の接続で困ることもなさそうです。残念なのはこのUSB端子ではiPad3が充電不能であったこと。スピーカはなし。Dell本家通販には外付けのオプションがあるようです。
Macにて
市販のモニタ全般にそうなのですがDell製品もWindowsPCを主眼に置いているためかMacでは細かなところで面倒です。
- mini Displayportのケーブル類は選択肢が少ない。
- Mac用モニタ制御ツールが(あまり充実して)ない。
- MacとWinではγ値が違いbootcampで切り替えた時に色味が違ってしまう。
MacとDellのモニタの組み合わせについては「MacからDELLのディスプレイにきれいに画面を出力させる方法」という記事を見つけました。Displayport経由ではモニタ側の補正機能でシャープネスや色域補正がかかってしまうようです。上の記事にあった対策を適用してみましたが、シャープネスが少し低くなり、文字のアンチエイリアスがMacらしくなりました。
まとめ
見えないところはやや大雑把であるものの表示品質・実用性はしっかりしていてDellの公式通販でも49800円、楽天のセールやNTT-Xでは四万円台半ばで買える価格性能比の良い27inch/WQHDモニタであると思います。広いデスクトップはウィンドウをいくつも開いて作業する人には便利。発色もまともですし目の負担も良好。格安液晶では短期間で暗線が走ったりしがちですがそのあたりは時間が経ってみないとなんともいえない、かな。一応「デジタルハイエンドシリーズ」を銘打っているので27inch/WQHD最廉価モデルといえど大丈夫そうな気はします。
これといって不満もなく悪くない買い物でした。
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