『百合姫Wildrose』Vol.7
百合姫Wildrose Vol.7
一迅社コミックス百合姫コミックス
2013.7.27
久々の『Woldrose』シリーズです。Vol.6が2010年の8月だったので前回から3年弱。間に『Girls Love』とシリーズタイトルを変えたものが2冊出ていてそちらから計算しても2年振り。成年指定はないけれど性描写のある百合コミックアンソロジーです。帯は
溶け合うまで、感じよう。
百合姫Wildrose Vol.7 帯より
表紙カバーは一番上に赤く鉢巻きが入り「女のコ同士のジューシー♥LOVEコミック」と入るのも、「Wildrose」のロゴデザインも以前の『Wildrose』シリーズのまま。唯一「百合姫」のロゴがリニューアル後の『コミック百合姫』と統一されたフォントとなっているのがデザインの違いでしょうか。
掲載作家はサブロウタ、コダマナオコ、大朋めがね、ロクロイチ、ちさこ、百乃モト、こるり、天野しゅにんた、南崎いく、倉田嘘と現在の『百合姫』本誌の作家たちを中心に馴染みのある顔触れ中心。大朋めがねは『つぼみ』常連でしたが『百合姫』系は初でしたっけ……?。
お気に入りの作家さんが描いているなら買い。
サブロウタ「パートナー」は『百合姫』の「citrus」で見せてくれる表現力をばっちり生かして期待通り・以上。えっちシーン自体は短めですがぐっと来る見せ方をしてくれました。
コダマナオコは『百合姫』や『つぼみ』に載った短編や『不自由セカイ』でもですがエロス表現に加えて同性であることをお話のテーマに盛り込んでくるあたりとても好み。
成人向けも描いている大朋めがねはその表現力を見事に発揮してました。“女”の恐さも感じさせつつ。ベッドシーンでも眼鏡を外さないのはこだわりでしょうか。
ロクロイチ「夕方、部屋の中」は公にできない関係の寂しさをしっとりと。『女の子×女の子コレクション』ではかなり濃い性描写もある作者ですが『Wildrose』では表現若干抑え気味かな。
「明日からはもう飲みません」のちさこは百合姫コミック大賞出身で『Wildrose』系への掲載は初めて。『百合姫』掲載でもおかしくないかもなふんわり調。
百乃モト「ユウヤミメカクシ」は女同士の情事を盗み見てしまって、という話。窓越しに展開されるベッドーシーンが引き金になった出会いにじんわり滲むエロスは雰囲気あります。
「flow blow」のこるりは私には初見の作家さん。頭身低めの丸っこいタッチで描写は割とこってり。
天野しゅにんた「ENCORE!!!!」は『百合姫』本誌ではどろどろ渦巻いちゃってる作者ですがこちらはシンプルなお話。イメージ描写が日本のシュールレアリスム全盛時代っぽい昭和感でした。昭和的感性愛が漂います。
南崎いくの「熱病解放区」は『Sweet Little Devil』収録の「恋愛準備室」登場の二人の後日談。
「夏の日」倉田嘘。予告で作者の名前が挙っていたのを見て「もしや百合男子勢がいちゃこらする話では」とちょっと期待?したのですがさすがにそれはなく倉田嘘久々の百合エピでした。
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