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『Cut』2013年9月号

Cut 2013年9月号
Rockin' On
2013.8.19

 先週、宮崎駿監督の『風立ちぬ』を見てきました。素直に「面白かった!」と言える映画ではなかったですが「良かったかもしれない」とじわじわと考えさせられる映画でした。そして恒例、ロッキン・オン別冊の『Cut』で渋谷陽一が宮崎駿に三万字インタビューをしていると知り、買ってきました。読んで思ったのが、

「そんなに作り手側の意図と外れた見方をしてなかった」

でした。ほっとしました。
 記事の内容は、掲載誌を実際に読んでいただくのが良いでしょう。印象に残ったエピソードをいくつか紹介するに留めます。

 劇場で本編が始まる前に予告編が流れました。『ガッチャマン』や『かぐや姫の物語』もあったでしょうか。『永遠のゼロ』の予告も流れていました。

今、零戦の映画企画があるらしいですけど、それは嘘八百を書いた架空戦記をもとにして、零戦の物語を作ろうとしてるんです。神話の捏造をまだ続けようとしている。

Cut 2013年9月号 「風立ちぬ」三万字インタビューより

 これのことかなぁ……。零戦神話的なものを嫌っているらしいことがインタビューの中で強調されていましたが、予告を眺めた限りでは的中していそうです。

 堀辰雄の『風立ちぬ』についても触れていて「よくわからない」から始まり「掴めそうで掴めない」というあたりはなるほど、と大いに思ったのでした。同時に宮崎駿の『風立ちぬ』もまた掴みきれない映画でした。そういう部分まで含めての映画化だったのだなと改めて。納得行かなく感じた部分もまた堀辰雄的であった気がしてきました。

 『Cut』の渋谷陽一によるインタビューシリーズは理解者っぽいスタンスが少し鼻につくのですが、でも、毎回楽しく読んでしまうし、宮崎駿から面白い話を引っぱり出せているあたり優れた記事なのかもしれません。『風立ちぬ』を観て何か語りたい!語ったよ!という人はこの記事で答え合わせをしてみると楽しいかも。高橋源一郎の『風立ちぬ』評はありきたりの視聴者の感想になっていたように思いました。

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