『星降り坂一丁目三番地』慎結
星降り坂一丁目三番地
慎結
一迅社コミックス百合姫コミックス
2013.8.18
『ROSE MEETS ROSE』、『ミズイロ、ソライロ』に続く慎結の三冊目の百合コミックス。『百合姫』掲載の六編と描き下ろし短編がひとつ。あとがきが一ページ。カバー下には塗り絵とプチイラスト。各話の紹介が表紙カバーの後ろ側(バーコードの入ってる側)にあります。Amazonのカバー画像だと建物のシルエットから下が真っ白ですが、実本では帯が入ってきれいにバランスする感じです。
ブランドへの反発がお嬢様校女子と庶民女子との関係で描かれる「サクラフル」。美大の、ゆる〜い日々の雰囲気中での百合ストーリー「心、咲ク季節」。「ジュリエット×ジュリエット」は中等部の子と高等部の先輩との間のちょっと隔てられて直接は接することのできない関係を描きます。小柄で可愛らしく守ってあげたくなるようなショコラとのちょっとほろ苦いお話「ショコラと」。「my sweet clover」は二人で一人を取り合う女子の三角関係を描いたお話二つ。描き下ろしの「星をあげよう」は幼馴染の二人の小さなお話。
慎結は少しざっくり感のある、アナログらしくペンらしく少女漫画らしいタッチ。夢を感じさせるちょっぴりエキセントリックなところが少女を描くということととてもしっくり来る作風に思えます。一番尖った「らしさ」が出ていたのは全話描き下ろしの(と思われる)第一短編集『ROSE MEET ROSE』かな。『ソライロ、ミズイロ』と今回の『星降り坂〜』では洗練が前面に出てきたように思います。どれから読んでも慎結らしさはたっぷり感じられると思うので特に順番を意識せずに読んでOK。
『星降り坂〜』では「my sweet clover」の三人の関係が楽しくてお気に入りとなりました。
| 固定リンク