『モモイロデイズ』青井はな
モモイロデイズ
青井はな
宙出版
2014.4.19
『少女ホリック』、『ツインケイク』
で少女らしさを描いていた印象の良かった青井はなの百合コミック新刊です。前記の二冊は当時の百合姫コミックスで続けて出していた一冊丸ごと描き下しでベッドシーンありのシリーズの一環。性描写は控えめながら十代の未熟な体の線が描かれ、少女期特有の感性も魅力的に描かれていました。その好印象もあって、今回の『モモイロデイズ』が刊行されると知って楽しみにしていました。
Amazonから届いた宙出版同時発売の百合コミックス二冊。
前情報を仕入れていなかったのでちょっぴり「ゆるゆり」を連想させるデザインの「えろゆり」ロゴに「おや?」と。初出は『恋愛白書パステル』。連作短編形式で各話にしっかりベッドシーンがあります。描写の感じは——成年コミックや青年誌の男性向けの官能演出のこってりしたものではなく、レディコミ的で行為自体は濃いけれど心理描写に比重が置かれていて、ベッドシーンはその一部という感じ。
お話のノリは軽めで、ばったり再会した高校時代の同性の級友との「えっちから始まる恋」的な展開です。話が進むごとにヒロイン二人の関係も深まります。寝取られや三角関係はナシ。二人の前に障害は立ちはだかりますが、基本ほんわかする話。
全6話のうち最終1話が描き下ろしです。オススメ対象は性描写に抵抗のない百合漫画好きさん、かな。かといって『彩百合』や『百合姫Wildrose』シリーズのような嬌態描写に比重を置いた(ある意味男性向けの作法に則った)百合エロを期待すると少し違うはず。作者のブログにモノクロのカットも少し置かれているので絵柄の雰囲気を見てみるのも良いかもしれません。
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