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映画『クリムゾン・ピーク』

 観てきました。
 『クリムゾン・ピーク』。

 『スターウォーズ/フォースの覚醒』が大盛況の今、「何か観ようかな」と迷っているなら迷わず『スターウォーズ』最新作。でもゴシック物大好きだったり、超豪華SFエンタメ傑作はお腹いっぱい、ということなら『クリムゾン・ピーク』はかなりオススメです。

 なんといっても映像が素敵です。メインの舞台となるお化け屋敷・アラデール・ホールの美しいこと。真っ赤な粘土の丘に建つ屋敷はかなり寂れているのですがその寂れ方が素晴らしくゴシックなのです。ゴシックもののお約束の通りの半ば廃墟のようなゴシック建築の屋敷(あれほんとにゴシックの範囲なんだろうか……)を舞台に心霊現象と陰謀と愛憎が展開されるのですがそれがもうゴージャス。

 お話は裕福なカッシング父娘の日常から始まります。娘・イーディス・カッシングは小説を書く箱入り娘。そこに現れるトーマス・シャープ青年。クリムゾン・ピークでの鉱物採掘事業の出資者を求めてカッシング父の元へやってきたのです。
 いかにも怪しいトーマス・シャープとその姉・ルシール。

 20世紀初頭を舞台に、ということでイーディスの服装や眼鏡もそれらしい質感で描かれ、上映開始早々からテンションがあがります。ストーリーは良くも悪くも陳腐なゴシック。ああ、きっとそうなるんだ、という予想に沿って——というより予想が立つように常に前フリがなされて、その通りに展開していくのです。
 なのでシナリオ的には陳腐、と感じる人も多いはず。でも、陳腐で良いのです。ゴシック物はその成立時点で最初から陳腐さに溢れていました。イメージの美しさに酔えさえすれば良い。それがゴシックです。そして『クリムゾン・ピーク』は美しいイメージの連発でした。完璧です。ネット評でも流れていましたが、絵からそのまま抜け出してきたかのようなラファエル前派風美女の映像はもうシビレルとしか言いようがなかったです。

 もちろん、不満もあります。予告では館の様子がたっぷり紹介されていましたが、ヒロイン・イーディスがなかなかアラデール・ホールに行かないのです。ひたすら「早く屋敷へ!」とやきもきさせられた前半でした。

 終盤はやや意外——ストーリー的に予想外なのではなく演出的に「そーゆー方向か」となりました。このあたりはゴシックものの定石から外れた現代的な部分でしょうか。

 ネット上の感想をあちこち眺めていてトム・ヒドルストンのお尻に関する言及が多かったのが印象に残りました。

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