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小説創作ユーザのための「ポメラ」DM200レビュー

ポメラDM200購入

 KING JIMのデジタルメモ・ポメラDM200を買いました。

ファーストフードにて下見のつもりだったけど

外観

Dm200_01

 半つや消しの黒でうっすらグレー味がかりぱっと見だと材料不明。ABSのようです。持った手応えは見た目よりは軽くかっちりしてます。画面サイズやボディサイズ感はVAIO type Pとほぼ同じ。ちょっと幅広です。手で触った跡がつきやすいのは気になるかな。

液晶

 発売前のネットレビューでは「動画用インターレースカラー液晶」と推測されていてちらつきや偽色が心配でしたが実物ではまったく気になりません。表示品質は十分に高いです。文字自体もキレイ。フォントのアンチエイリアシングはWindowsより見やすいです。太字(アウトラインの項目行)は微妙……かな?  ゴシックも明朝も見やすいです。

キーボード

 良いです。たわみらしいたわみは感じられないレベル。ぽす、という静かで柔らかな打鍵感で図書館でも大丈夫。将棋の駒をカチーンとやる感じではないです。アイソレーションタイプでキートップの高さは控えめで押込時には筐体とほぼツラ位置になります。爪を伸ばしている方は干渉するかも。JISかなの配列も問題なし。縦方向のキーピッチが狭いのも数字キー列を多用するかな入力者にはむしろ使いやすいです。

 JISかな入力ユーザー的に困ったのはShift+「め」の入力において“全角無変換(後)変換”=F9押し下げで「?」が出てほしいのですが「/」となってしまうこと。「?」だけでなく全角のShift併用記号を出す方法がわからずに取説と公式サイトのFAQとにらめっこ。Shift+「無変換」で英数全角入力モードに入れることはわかりましたが疑問文のたびにモード変更&復帰では煩わしくとても実用する気にならず。単語登録で「?」「・」を割り当てて一応解決です。これはたぶんATOKのクセ。PC版でも同じ挙動でMS-IMEを使っている一因だった気がします。

起動

 バッテリ駆動状態では液晶を閉じると終了。開くと四~五秒で起動。実用的に待たされることはないですがDM100までのポメラとの比較だと遅いと感じるかも。AC電源に接続していると液晶を閉じても画面のバックライトが消されるだけになり、開くと瞬時に復帰します。

レスポンス

 DM200で特に強調したいのがどんな操作もすべて快適なレスポンスであること。縦書きでもアウトラインでも快速です。高スペックPCでテキストエディタを使うよりもダイレクト感があります。歴代ポメラの中でもダントツ。
 あ、快速とはいかない機能もありました。WiFi関連です。こればかりは仕方ない。

アウトライン

 アウトライン枠が開いた状態においてalt+tab で編集側とアウトライン側のフォーカスを移動し、Ctrl+矢印でアウトライン構造を変更します。これもショートカットキーでの操作で、文句なしに快速で操れるのでアウトライン編集がとても楽しくなります。本文が横書き表示でも縦書き表示でもOKです。こんなに気持ちよくツリー操作できるアウトライナーは久々。ツリー操作に本文側が気持ちよく追従します。
 アウトライン編集がキーボードのショートカットで反応良く行えると楽しいのです。家電店店頭のデモ機でもこのアウトライン操作は十分に試せるので、ぜひ体験してみてください。行頭に「.」(ピリオド)を入れた行が見出しになります。

編集可能サイズ

 約五万文字という編集可能テキストサイズの制限は購入前にわかっていたのですが2byte文字のファイルで100KBはいけるけど150KBは読み込めないことを確認し、もっと長いテキストが編集できたらな、と強く思います。アウトライン機能の搭載は規模の大きな作業への欲求を後押しするのではないでしょうか。
 ファームウェアver.1.3にて編集可能サイズが十万字に変更されました。小説創作ユーザには嬉しいアップデート。

ATOK

 DM200のセールスポイントとなるATOK。
 すみません。変換精度の良さが正直よくわからないです。単文節あるいはせいぜい二文節ごとに変換・確定していると、長めの文章の文脈を見て変換精度を上げるATOKの性能を引き出す使い方ではないようです。

辞書

 国語辞典には明鏡国語辞典が採用されていて発売前のレビューだと記者の反応がいまいちでした。私は明鏡国語辞典をとても良い辞典だと思っていて不思議に感じたのですが、使ってみて納得。明鏡の特徴である「基本語彙の表記使い分け」がいまひとつ引き出せていないUIでした。良い辞書なのにもったいない……。元々の辞書の特徴を知っていれば長所を活用できないわけでもないです。語釈部分まで含めて全文検索ができればもっと使い勝手がよくなりそうなのに。編集画面の範囲選択→alt+F7~F10で辞書がダイレクトに引けるのはレスポンスの良さもあって気持ちいいです。

WiFi関連

Dm200_02

 やりたかったのは「dropboxと同期する」ですがポメラ独自ハード/OSでdropbox対応を期待するのは無理がありそうです。DM200の売りのひとつであるWiFi機能のポメラsyncはiOS/Macのメモに同期する機能のようで「小説作成」という私の用途に合いませんでした。日用の雑多なメモには便利なので活用していこうと思います。
 スマホとの併用だと"pomera QR code reader"というKingjim純正のアプリが手軽で便利。WiFiのような設定が必要ないので手軽です。

 というわけでポメラで作成した小説テキストはUSBケーブルでMacと繋ぎ、Mac側のrsyncコマンドで同期を取ることにしました。

バッテリ駆動時間

 これまでのポメラシリーズと一番変わったのはバッテリです。乾電池から内蔵バッテリになりました。実際のバッテリの持ちは……えーと、パソコンの感覚でいうとなかなか減らないです。毎日二時間くらいDM200を使って三日経ってもまだ半分残っている感じです。スリープをオフにして六時間表示させっぱなしにしても満タンからの消費は50%行きません。メモ的な用途であれば週に一度の充電で充分そう。

携帯性

 テキスト入力専用の単機能製品としてはちょっと嵩張る印象です。VAIO type Pや艦これタブレット+BTキーボードセットとほぼ同じサイズなのでけっして邪魔になったりはしませんが、身軽に出歩こうとするとテキスト打ち以外のパソコン的な作業はスマホに任せる割り切りが必要になりました。それで特に困ることもない、のはパソコン大好き人間的には少し寂しくもあります。

全体的に

 非常に快適なテキスト入力環境です。アウトライン機能も求めるものが装備されていて文句なし。一点だけ弱点を挙げるとすれば編集可能サイズ50,000文字の制限のみです。

ファイル同期

 パソコンではdropboxで小説テキストを管理しています。dropboxと共有しているフォルダの中の*.txtを丸ごとDM200上のSDカードとDM200側の【PCリンク】機能とパソコンのrsyncコマンドで同期させる形でファイル管理しています。USB接続ですね。
 rsyncコマンドはunix系のOSで搭載されているタイムスタンプで比較して簡単にファイルの同期を取ってくれる便利なコマンドツールです。コマンド投入時点での同期しかしてくれませんが、PCとDM200を頻繁に切り替え同じファイルを編集するような用途でなければ特に困ることはないです。

/usr/local/bin/rsync -auvz --iconv=UTF-8-MAC,UTF-8 --include '*/' --include '*.txt' --exclude '*' PC側フォルダフルパス /Volumes/SD/
/usr/local/bin/rsync -auvz --iconv=UTF-8-MAC,UTF-8 --include '*/' --include '*.txt' --exclude '*' /Volumes/SD/ PC側フォルダフルパス

 こんな感じのスクリプトを、PCとのUSB接続での充電のたびに実行するとファイルの管理が簡単になります。Macで標準搭載のrsyncコマンドが古く日本語表示が(ターミナルの表示だけが)文字化けするので日本語対応版のrsyncを導入してコマンドをフルパスで呼び出しています。

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