『紅玉は終わりにして始まり』ケルスティン・ギア
紅玉は終わりにして始まり
著:ケルスティン・ギア
訳:遠山明子
東京創元社
面白かったです。
Twitterでタイムラインに紹介があって「この人が紹介してるなら面白いに違いない」「きっと好みのテイスト」と読んでみると大当たりでした。やー、面白い本を教えてくれる人というのはほんとありがたいです。
ヤングアダルト向けの時間旅行SFです。旅行といっても紀行的なテイストのお話ではなく、主人公の少女が巻き込まれていく冒険もの。陰謀も絡み、とても物語力に溢れたドキドキワクワクタイプのお話。始まりの舞台はほぼ現代のようですが、十七世紀以降の時代へのアプローチもあるためにヨーロッパ時代ものの香りもあってとても好み。加えてニュートンやサンジェルマン伯爵のような歴史上の有名人物が登場します。めっちゃうさんくさいことの起きそうな顔ぶれじゃないですか。うはー。
お話は常に一歩先が予想できるように組まれていて、読んでいてとてもしっくり「こうでなくちゃ!」という感覚に溢れつつ、二歩先を読ませないストーリーテリングと構成の妙に溢れています。ヤングアダルト向けの鑑のようなお話。
主人公の少女・グウェンは完璧タイプの主人公ではなくちょっと冴えないところもあるごくごく普通の子。でも、普通といってもお姫様タイプでないだけで十分にトラブルメイカーで事態をごろんごろんと転がし始めます。これは面白い!というわけで三部作だという続刊も近いうちに読んでみようと思います。
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