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映画『虐殺器官』

『虐殺器官』観てきました

 映画の『虐殺器官』観てきました。伊藤計劃の小説ではデビュー作であるこの『虐殺器官』が一番気に入っていて、映画も楽しみにしていたのでした。

虐殺器官

どう勧めたら良いのかな

 映画版『虐殺器官』良い出来でした。原作小説よりも整理され、わかりやすくなった虐殺の言語。饒舌にSF的設定を語るシーンなども挟みつつ二時間弱があっという間に過ぎました。観て良かった……。
 でも、この映画、どう勧めて良いのかわかりません。アクションはあってもハリウッド映画のようにヒーローの見せ場というわけでもなく、爽快なハッピーエンドで楽しく劇場を後にできるわけでもない。サイバーパンク的な暗さともちょっと違う絶望に満ちた話です。エンターテイメント、フィクションとしての絶望、重さではなく明らかに虐殺の言語を通じて現実の絶望にアプローチするSFらしい暗さのあるお話。
 原作ファンは喜ぶでしょう。でも、原作を知らないどんなタイプの映画好きが喜ぶのかが想像しづらいです。
 言い方を変えると、この映画が気に入った人に勧める別の映画が思いつかない、です。面白さのクオリアに共通する作品がわからない。
 というわけで万人にお勧めではないのですが、ぐっと来る人も絶対いる。あなたがその一人かもしれない、という形でお勧めです。

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